水俣病被害者救済特別措置法(特措法)に基づく救済策の対象外となった近畿地方などの住民128人が、国と熊本県、原因企業のチッソに1人当たり450万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が9月27日、大阪地方裁判所でありました。(「Newsがわかる2023年12月号」より)
判決は原告全員を水俣病と認定し、各275万円(総額3億5200万円)を支払うよう国などに命じました。特措法の救済からもれた人でも、国の賠償責任を認める初の司法判断となりました。
これに対し国は10月10日、第1審判決に不服な者が取り消しや変更を求めて第2審の裁判所に訴える控訴を大阪高等裁判所に行いました。今回の判決を受け入れれば、1977年に国が示した水俣病と認める判断条件による患者認定の枠組みに影響を与えかねない、と判断したとみられます。また、新潟、東京、熊本の各地裁で同じような裁判が行われていることも考慮したとみられます。
国が控訴した理由について環境省は、大阪地裁の判決に関し「国際的な科学的知見や最高裁で確定した判決の内容と大きく相違する」という文書を公表しました。
大阪地裁判決を受け、「勝訴」などと書かれた紙を掲げる弁護士=大阪市北区で9月27日
上記画像をクリックすると「Newsがわかる2023年12月号」にジャンプします。
有料会員の方は電子書籍でご覧いただけます。
あわせて読もう!
救済特措法対象外も水俣病認定
大阪地裁判決 国は控訴
https://www.newsgawakaru.com/news/33287/