暮らしの明かりを灯す電気、人や物を運ぶための車や船を動かすガソリン。ガスコンロで料理をしたり、お湯を沸かすのに使われるガス。どのエネルギーも私たちの暮らしはもちろん、社会全体にとっても欠かせません。
そんな便利なエネルギーですが、いま様々な問題を抱えています。
例えば、日本で主に使われているエネルギーの8割以上が石油や石炭、天然ガスなどの「化石燃料」です。しかし、日本は資源が乏しいため、そのほとんどを海外からの輸入に頼っています。
「化石燃料」とは、植物や微生物の死がいなどが積み重なり、地下深くで何億年という時間をかけて化石になったものをいいます。地球がとても長い時間をかけて作り上げた資源を、今のようなスピードで使っていたら、石油と天然ガスは約50年、石炭は約130年で使い切ってしまうといわれており、「限りある資源」です。
そこで注目されているのが、「再生可能エネルギー」。その名のとおり、風力発電や太陽光発電といった自然界に存在し、永続的に利用できるものを指します。使い続けてもなくなる心配がないという利点以外に、環境にもやさしいという利点もあります。化石燃料は燃やした際に地球温暖化の原因の1つとなる二酸化炭素を発生しますが、再生可能エネルギーではほとんど発生しないため、地球環境にはやさしいクリーンなエネルギー資源といわれています。
「再生可能エネルギー」は風力発電や太陽光発電以外にどんなものがあるのでしょうか?また、どのようにしてエネルギーを生み出しているのでしょうか?
今回ご紹介する『見てわかる!エネルギー革命』では、先ほどご紹介したような「化石燃料」「再生可能エネルギー」などのエネルギーを種類別に、特徴や仕組みを解説。オールカラーの図解・イラストに加え、すべての漢字にふりがなが振られているので、小学校低学年でも読み進められるのがポイントです。
この本がおもしろいところは、エネルギーの仕組みのみならず、人類がはじめて火を使い始めてから、化石燃料の利用や蒸気機関車の登場、電気の発明といった人類とエネルギーの歴史。さらに、気候変動の問題にまでわかりやすく解説していたり、「SDGs」や「カーボンニュートラル」といったおさえておきたい旬な時事問題なども取り上げられている点です。
「環境問題」や「SDGs」を切り口とした本は数多くありますが、この本を通じて、私たちの暮らしに身近な「エネルギー」を知ることから環境問題を考えると、新たな視点や思考が生まれ、子どもたちの科学への関心、社会の成り立ちや、社会時事の理解度が深まるかもしれません。ぜひご家庭の本棚に加えていただくのをおすすめしたい、そんな1冊です。
(ニュースがわかるオンライン 編集部)
紹介した本はコチラ
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見てわかる! エネルギー革命
気候変動から再生可能エネルギー、カーボンニュートラルまで
(子供の科学サイエンスブックスNEXT)
著者:一般財団法人 エネルギー総合工学研究所
出版社:誠文堂新光社 定価:2,750円
本書の目次
はじめに エネルギー新時代がやって来る!
第1章 エネルギーってなんだ?
第2章 エネルギーの種類
第3章 エネルギーの未来
あとがき 用語集 索引
著者プロフィール
一般財団法人 エネルギ-総合工学研究所
昭和53年4月1日「財団法人エネルギー総合工学研究所」として設立。「エネルギーの未来を拓くのは技術である」との認識の下、シンクタンクとしての研究活動を続けている。対象分野は地球環境、新エネルギー、電力システム、水素エネルギー、炭素循環エネルギー、原子力と多岐にわたり、とくに昨今では、CO₂の有効利用技術開発推進やカーボンニュートラルなど、脱炭素エネルギーシステム分野での最先端の情報を有する。