「週刊エコノミスト」で幅広いジャンルの本を紹介している「話題の本」コーナー。その中から、親子でも楽しめる、より深く知ることでタメになる本を厳選してご紹介します。
「ロボットを研究することは、人間を深く知ることでもある」。ロボット学の世界的な権威が、最近10年間の研究を通じて分かってきた人間の本質とロボット活用の可能性を明らかにする。
例えば、語学の学習に機会然としたロボットを導入すると学習者はかえって人間の講師に感じるようなプレッシャーを覚えず、対話相手として自然に受け入れられるという。
「人間理解にはゴールがない」と指摘する著者の多様な探求と考察は実に魅力的だ。
(「週刊エコノミスト」22年2月1日号『話題の本』より)
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ロボットと人間
人とは何か
著者:石黒浩 出版社:岩波書店 定価:1,034円
本書の目次
プロローグ
1章 ロボット研究から学ぶ人間の本質
2章 対話ロボットとロボット社会
3章 アンドロイドの役割
4章 自律性とは何か
5章 心とは何か
6章 存在感とは何か
7章 対話とは何か
8章 体とは何か
9章 進化とは何か
10章 人間と共生するロボット
エピローグ
著者プロフィール
石黒 浩(いしぐろ・ひろし)
ロボット工学者。大阪大学基礎工学研究科博士課程修了。工学博士。京都大学情報学研究科助教授、大阪大学工学研究科教授を経て、2009年より大阪大学基礎工学研究科教授(栄誉教授)。ATR石黒浩特別研究所客員所長(ATRフェロー)。遠隔操作ロボットや知能ロボットの研究開発に従事。人間酷似型ロボット(アンドロイド)研究の第一人者。2011年大阪文化賞受賞。2015年文部科学大臣表彰受賞およびシェイク・ムハンマド・ビン・ラーシド・アール・マクトゥーム知識賞受賞。2020年立石賞受賞。2021年オーフス大学名誉博士。
著書には、『ロボットとは何か──人の心を映す鏡』(講談社現代新書)、『どうすれば「人」を創れるか──アンドロイドになった私』(新潮文庫)、『僕がロボットをつくる理由──未来の生き方を日常からデザインする』(世界思想社)ほかがある。