2025年もいろいろなできごとがありました。ニュースがわかる編集部は、その中から社会に与えた衝撃や影響が大きかった重大ニュースを10本選びました。キーワードやポイントをおさえながら振り返ってみましょう。(「Newsがわかる2025年12月号」より)
◆節目の年
平和の誓い新たに
今年は、日本が戦った太平洋戦争を含む第二次世界大戦が終わってから80年の節目の年でした。全国各地で、戦争の悲惨さを伝える企画展や、世界の平和を守る誓いを新たにする式典がさまざま開かれました。そして、多くの人が亡くなり国土が焼け野原になった痛ましい歴史を振り返りました。


太平洋戦争の地図
◆戦争体験者の高齢化 「次世代の語り部」育て
戦後80年のニュースでは、戦争体験者の高齢化が改めて強調されました。
2024年10月1日現在、日本の人口約1億2380万人のうち戦後生まれは約9割。貴重な戦争体験を語り継ぐため、当時の話を聞いたり資料で学んだりした戦後生まれの人たちを「次世代の語り部」として育てる取り組みが各地で行われています。

戦争体験の証言集会で、広島で原爆の犠牲になった弟に見立てた人形と共に被爆体験を語る小谷孝子さん=東京都千代田区で9月27日、共同
◆沖縄戦追悼式 「繋いでくれた命大切に」
第二次大戦末期、アメリカ軍との激戦で住民を含む約20万人が亡くなった沖縄県では6月23日、糸満市の平和祈念公園で戦没者追悼式が営まれました。
式では、地元の小学校6年の城間一歩輝さんが平和の詩「おばあちゃんの歌」を朗読。沖縄戦を生き延びた祖母の心と体に戦争が残した深い傷と、つながれた命の大切さへの思いを込めた詩を以下のように結びました。
人の命を奪い苦しめる
戦争を二度と起こさないように
おばあちゃんから聞いた
戦争の話を伝え続けていく
おばあちゃんが繫いでくれた
命を大切にして
一生懸命に生きていく

「平和の詩」を朗読する城間一歩輝さん=沖縄県糸満市で6月23日
◆影落とす二つの戦争と「自国第一主義」
最近の国際社会に影を落としているのは、ロシアによるウクライナ侵攻と、パレスチナ・ハマスとイスラエルの戦闘です。さらに、アメリカのトランプ大統領の政策の柱である「アメリカ第一主義」に代表される自国第一主義の世界的な風潮が、国同士の関係を悪くする大きな原因の一つになっています。

国連総会がウクライナ侵攻開始から3年となるのに合わせて開いた緊急特別会合=アメリカ・ニューヨークで2月24日、共同
◆創設80年の国連 高まる改革要求
平和で幸福な人々の暮らしを実現するために、世界各国が話し合う組織が国際連合(国連)です。今年、創設80年を迎えましたが、「二つの戦争」でもアメリカや中国、ロシアなどの大国の考え方の違いから本来の役割を果たせないことが目立ちます。国連組織の大改革を求める各国の声が、これまで以上に高まっています。
このニュースに関する重要なポイント、入試の予測問題は以下の記事をチェック!(画像クリックで記事の内容が確認できます)

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