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【ニュースがわかる2024年5月号】巻頭特集は10代のための地政学入門

知っておいしい! 和食

きんねんかいからちゅうもくあつめている「しょく」。こくさいれんごうきょういくがくぶんかん(ユネスコ)けいぶんさんとうろくされて10ねんがたちました。そのちなどを、げんざいこくりつがくはくぶつかんかいさいちゅうとくべつてんしょく」のどころとともにしょうかいします。(「Newsがわかる2023年12月号」より)

和食わしょく意外いがいあたらしい!?

 「しょく」ということがいあたらしく、めいだいくらいにたんじょうしたとされています。ほんじんかいがいき、西せいようりょうちゅうりょうはいってきてから、こくりょうべつするために“しょく”とぶようになったのです。それぜんは、「きょうりょう」「まえ」などといきでのしかありませんでした。

 なんぼくながくさまざまなかんきょうほんには、ようものがすんでいます。わたしたちはこの“ようせい”をどうべてきたのか。しょくをひもとくと、ほんぜんや、はぐくんできたわざることになります。

織田信長が徳川家康をもてなした本膳料理の再現模型 奥村彪生監修 御食国若狭おばま食文化館蔵。1582(天正10)年5月、織田信長が明智光秀に接待役を命じ、武田勝頼を討ちとった徳川家康らを安土城でもてなした時の料理

江戸時代の屋台の再現(2020年の展示風景)。すし、うなぎ、そばなどが江戸前の代表だ

ルーツは縄文時代じょうもんじだい

 およそ1まん6000ねんまえはじまるじょうもんだいは、1まん2000ねんほどまえからおんだんかい、ぜんめぐみもゆたかになっていきました。じょうもんじんなどのしょくぶつしゅしょくに、かいさかなおおがたどうぶつなどをねつ調ちょうしてべていたことがわかっています。

 じょうもんじんぜんをよくっていて、たとえばひがしみょうせきからしゅつしたおおきなかごは、そこなどかくパーツにてきしたざいしつしょくぶつ(つる)をもちい、ただしくわせてつくられています。このようにじょうもんだいからつながっているわたしたちのぜんかんさつするちからや、それぞれのいきでとれるゆたかなしょくざいさんさいさかなかい)をうまくわせてせいりつしたのがしょくです。

縄文時代早期(約8000年前)の東名遺跡から出土した保存処理された大型の編みかご=佐賀市で5月22日

野菜やさいのほとんどは”渡来とらいもの”

 弥生やよいだいげんぜん5せいげん3せいなかば)になると、たいりくからいなさくさいはいってきます。しょくちゅうしんにあるのはこめですから、弥生やよいだいこうにそのルーツがあるともかんがえられます。

 じつは、いまべているさいのほとんどが、がいこくかららいしてきました。ほんじんじょうもんだいからべてきたのはさんさいです。だいひょうてきさんさいのワラビは、ヨーロッパではゆうどくしょくぶつとされています。ワラビのあくにはゆうどくせいぶんふくまれていますが、ほんではふるくからさんさいいっしょすみじゅうそうなどアルカリせいぶんれてねっとうしょする「あくき」をしてべてきました。さらにあくをすべてくのではなくじんたいえいきょうのないていのこふうで、にがみやしぶみをあじわってきたのです。

多彩な地ダイコンのレプリカ(2020年の展示風景) 国立科学博物館蔵。人の手が加わり品種改良されたものが野菜。野菜のほとんどは海外が原産だ。日本に渡来した後、各地で品種改良が行われ、現在の伝統野菜が誕生し、地域の食文化にとり入れられてきた

 日本に自生する植物約7500種のうち、食べられるものは1000種ほど。その中でもおいしく食べ続けられているのが山菜で、約100種が知られている。東北などでは保存食として山菜文化が継承されている。
各地かくちtiがう! お正月しょうがつ雑煮ぞうに

 おしょうがつほんかくべられているぞうしゅようです。もともとはとししのよるに「としがみさま」にそなえたもちとそのいきさんぶつを、としけにひとつのなべべたもの。ぞうれるもちのかたちちがい、ひがしほんかくもち、西にしほんまるもちです。

新潟県 サケといくら雑煮。塩ザケからだしをとりながら、いろいろな具材と一緒に煮て、焼いた角もちを入れ、いくらをのせる=東京都渋谷区で2008年12月

香川県 あんもち雑煮。カタクチイワシの煮干しのだしをベースに白みそ仕立てにした汁に、あんこ入りの丸もちを入れる=香川県高松市で2008年12月

特別展「和食 ~日本の自然、人々の知恵~」
2024年2月25日(日)まで
国立科学博物館(東京・上野公園)
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