“埋もれた教訓”を地図上に掘り起こし伝える[地図記号・自然災害伝承碑]

 1995年1月17日、阪神・淡路大震災が発生しました。
大都市を襲った直下型地震は、関連死を含め6000人以上の尊い命が奪われました。命だけではなく、住まいや仕事も地震によって失った人もいます。
しかし、四半世紀という時間の経過にともない当時を知る人たちも減る一方、震災を知らない世代も増えてきました。
こうした状況下で震災をどう伝え続けるのか――日本の地図を作っている国土地理院が新たに加えた「地図記号」、その背景と定めた目的をご紹介します。

 自然災害はいつ襲ってくるかわかりません。今後、大きな地震が起きないことを願うばかりですが、日本のような地震大国では、阪神・淡路大震災のような大きな地震が起きるかわかりません。天災は忘れた頃にやってきます。日ごろからの備えや心構え、過去の教訓を風化させないことが大切です。

 そこで、日本の地図を作っている「国土地理院」(茨城県つくば市)が2019年にある地図記号を定めました。

過去の教訓を風化させないために

 2019年、「老人ホーム」「風車」(いずれも2006年)以来となる新たな地図記号「自然災害伝承碑」が加わりました。新しい地図記号が加わるのは、実に13年ぶりのことです。なぜいまさら新たに地図記号を加えたのでしょうか?

(2019年7月26日毎日小学生新聞より)

 きっかけとなったのは、2018年7月豪雨で多くの犠牲者を出した地区では、100年以上前に起きた水害を伝える石碑があったものの、その教訓が風化し、埋もれてしまったのです。

 先人たちの教訓を風化させず、現代に伝えていくために、地図記号を定めた国土地理院は、全国の自治体から災害を伝承碑の情報を集め、地図に載せることを決めました。

【次頁】石碑で被害を免れた例も