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【ニュースがわかる2024年5月号】巻頭特集は10代のための地政学入門

未来がわかる! 南極大陸

日本からはるか1万4000キロ、地球の南の果てに位置する南極大陸。ここには氷に覆われた白い世界が広がります。なんと地球上の9割の氷があるのです。そしてこの氷や大陸(岩盤)、降ってきた隕石の中は、地球が生まれた46億年前からの履歴や現在の環境、地球や人類の未来を探ることができる材料であふれています。(「月刊Newsがわかる21年10月号」より)

巨大な氷のかたまり!

 南極は世界で5番目に広い大陸(岩盤)で、その上を一枚の巨大な氷のかたまりが覆っています。この大きな氷を「氷床」といいます。南極は地球上で最も寒く、夏でも雪は解けないので、高地に降った雪が長い月日をかけて積み重なって氷になります。やがてゆっくりと低地に向かって流れていき、大陸全体に広がったのです。こうして今も氷床は流動しています。

 数十万年にわたって堆積した厚い氷床は、地球の過去をカチコチに凍らせて閉じ込めたタイムカプセルともいえます。氷には過去の雪や大気、その時代のまま変質していないさまざまな物質が冷凍保存されており、取り出して調べれば、過去の地球の姿を解き明かすことができます。

◆氷床に閉じ込められた地球の過去を掘り出せ!

 南極には、特に氷が厚く堆積して表面が盛り上がった「ドーム」と呼ばれる場所がいくつかあります。そのうちの一つが「ドームふじ」です。

 日本が1995年に観測拠点を開設したドームふじ基地は、標高3810メートルに位置し、氷床の厚さは3000メートルを超えます。

 2007年に深さ約3035メートルまでの氷床の掘削に成功。今から約72万年前の氷(氷床コア)を手に入れました。氷の成分を調べることで、その時代の気温や二酸化炭素(CO2)の濃度といった大気の様子まで詳しくわかるのです。

(編集部)※写真は代表撮影

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