縄文人はスーパースター!?【月刊Newsがわかる11月号】

立川志の春の「落語で英語」第22回

落らく語ごには、よく酒さけ飲のみが登とう場じょうします。落らく語ご家かにとっては、おいしそうに酒さけを飲のむ様よう子すや、ひどく酔よっ払ぱらった人ひと(大おお虎とら)などを声こわ色いろやしゃべり方かたを変かえて演えんじるところが見みせ場ば。どんな大おお虎とらになるのかも、落らく語ご家かによって違ちがいます。(「Newsがわかる2023年7月号」より)

【英文】

Thoughドウ theダ title ofタイローオヴ thisディス storyストーリー isイズ “Cat Troubleキャッチュラボー”, it’s notイッツナッ reallyリアリー about aアバウラ catキャッ. It’s about aイッツァバウラ sotソッ, orオア aア drunkardヂュランカード.
Kumaくま returnsリターンズ from aフロマ holidayホリデー morningモーニン bathバッス toトゥ seeスィー hisヒズ next-doorネクスドア neighborネイバー tryingチュライイン toトゥ throwトゥロー awayアウェイ aア seaスィー bream’sブリームズ head andヘデン tailテイオ. Sheシー tellsテオズ himヒム that it’sダリッツ herハー cat’sキャッツ leftoverレフトーヴァー.
Heヒー goesゴーズ homeホーム with theウィッダ fishフィッシュ, andエン covers itカヴァーズィッ with aウィダ wooden lidウデンリド, with itsウィディッツ head andヘデン tailテイオ sticking outスティッキナウッ, whichウィッチ makes itメイクスィッ lookルック like an entireライカネンタイア fishフィッシュ. Justジャス thenデン, hisヒズ friendフレン comes overカムズォーヴァー andエン sees itスィーズィッ. Delighted thatディライテッダッ theyデイ canキャン shareシェア theダ fishフィッシュ overオーヴァー sakeさけ, heヒー goes out toゴーザウットゥ purchaseパーチェス aア bottleバーロー. Whenウェン heヒー comesカムズ backバック, Kumaくま decidesディサイズ toトゥ put theプッダ blameブレイム onオン hisヒズ neighbor’sネイバーズ catキャッ forフォー stealingスティーリン theダ fishフィッシュ. Havingハヴィン heard thatハーッダッ, hisヒズ friendフレン goesゴーズ out againアウラゲン sayingセイイン “myマイ head’sヘッズ filledフィオド with thatウィッダッ fishフィッシュ!” Inイン theディ endエン, Kumaくま drinks upドゥリンクサップ theディ entireエンタイア bottleバーロー ofオヴ sakeさけ.

【和訳】
 「猫ねこの災さい難なん」という題だい名めいですが、実じっ際さいは猫ねこというよりは大おお虎とら(酒さけ飲のみ)の噺はなし。

 休きゅう日じつに朝あさ湯ゆから戻もどってきた熊くまさん、隣りん人じんがタイの頭あたまとしっぽを捨すてようとしているのを目めにする。聞きくと、飼かい猫ねこの食たべ残のこしだとのこと。

 それをもらい、うちでタイの体からだ(身み)の部ぶ分ぶんを木きのふたで隠かくすと、まるで丸まるごとのタイのように見みえる。そこへちょうど遊あそびにやってきた(年とし上うえの)友ゆう人じん(兄あに貴き分ぶん)、タイを食たべながら酒さけが飲のめると大おお喜よろこびで酒さけを買かいに行いってしまう。仕し方かたないので熊くまさん、帰かえってきた兄あに貴き分ぶんにタイの身みは隣となりの猫ねこに盗ぬすまれたと(うその)言いい訳わけをする。それを聞きいた兄あに貴き分ぶん、「俺おれはもう頭あたまの中なかがタイでいっぱいなんだ!」と言いいながら、タイを買かいに表おもてへ出でる。すると今こん度どは熊くまさん、お酒さけをみんな飲のみ干ほしてしまう。

 「猫ねこの災難さいなん」の噺はなしを英語えいごで表現ひょうげんすると、日常にちじょう会話かいわで使つかえるセンテンスがたくさんあります。特とくに大事だいじなものを見みていきましょう。

 ふたの下したに大おおきなタイが丸まるごと1匹ぴきあると思おもい込こんだ兄あに貴き分ぶんが酒さけを買かいに行いく時とき、「ウロコもちゃんと取とっておけよ」と熊くまさんに言いいます。 それに対たいして熊くまさんは「うん、全ぜん然ぜん問もん題だいないよ!」と答こたえます。それはそうです、身みもないんですから、ウロコがあるはずがありません。

 覆ふく水すい盆ぼんに返かえらず、の意い味み。せっかく酒さけを買かってきたのに、タイが隣となりの猫ねこに取とられてしまったと聞きいて、落おち込こむ兄あに貴き分ぶんに熊くまさんがかける言こと葉ば。「どの口くちでそれを言いうか」というせりふではありますが、よく使つかわれるフレーズです。日に本ほん語ごと英えい語ごでほぼ同おなじ言いい回まわしながら、水みずとミルクが違ちがうというのが面おも白しろいですね。

 2度ど目め、兄あに貴き分ぶんがタイを買かって帰かえってくると、熊くまさんが酔よっ払ぱらって真まっ赤かな顔かおをしています。「俺おれが留る守すの間あいだに飲のんだんだろう!」と言いわれた熊くまさんは「違ちがうの、飲のんだんじゃないの。(猫ねこに瓶びんを倒たおされて)畳たたみにこぼれたお酒さけを吸すったの!」と答こたえます。そして上じょう記きの「お酒さけというものは飲のむよりも吸すう方ほうが酔ようね」という言こと葉ばが続つづきます。大だい好すきなせりふです。

 英えい語ご版ばん「猫ねこの災さい難なん」の下さげ(オチ)のせりふです。「これまでお前まえが言いってたことはみんなうそじゃねえか!」「いや、うそじゃないよ、ちょっとインチキなだけ」という感かんじです。魚さかなのFishフィッシュと、怪あやしい、うさんくさい、というFishyフィッシーがかかっています。

 一いっ説せつによると、猫ねこが日に本ほんに入はいってきたのは今いまから2000年ねんほど前まえの弥生やよい時じ代だいだったそうです。江え戸ど時じ代だいにおいても猫ねこというのは、犬いぬと並ならんで人にん間げんのよき相あい棒ぼうでした。

 ただ猫ねこの場ば合あいは純じゅん粋すいなペットというよりも、ネズミ退たい治じという実じつ用よう的てきな役やく割わりも期き待たいされていました。農のう家かなどでは蚕かいこをネズミから守まもるために猫ねこを飼かったり、「猫ねこ絵え」という、猫ねこの絵えをおまじないで張はっていたりしたそうです。この噺はなしで猫ねこの病びょう気き見み舞まいにタイをもらえたのも、それだけ大だい事じな存そん在ざいだったからかも。

あわせて読よもう!