【ニュースがわかる2024年6月号】巻頭特集は地震大国ニッポン 被害を減らすために

ITで日本のスポーツを変える【起業家から君へ】

話を聞いたひと 中尾信一(なかお しんいち)さん ネクストベース社長

週刊エコノミストで連載中の「挑戦者2021」。優れたアイデアや斬新なサービスで世の中を良くしようとする企業の取り組みを紹介しています。本サイトでは、誌面で紹介された「挑戦者」たちがどんな子どもだったのかを聞きました。

※エコノミストオンライン「挑戦者2021」はこちら

上意下達の慣習が残るスポーツ界。監督と選手の間にデータを挟むことで、スポーツのあり方を変えようとしている。

 プロ野球選手を中心に、IT技術を活用して投手の球質を解析するサービスなどを提供しています。今までは、監督やコーチが自分の経験を主観的に選手に伝える指導方法でした。選手はそれを少ない経験値の中で受け取りますが、うまくいかないケースがあります。だから、指導者と選手の間に通訳的な役目としてデータを置く。選手もデータを見ながら話を聞けば、全然違います。

 球速や球の回転数、回転軸、変化量など、あらゆるデータを測定し、プロ野球選手の平均値と比較して、自分がどの位置にいるのか、どうすれば打たれにくい球が投げられるのか、そのためのトレーニング方法などをアドバイスします。投球フォームもモーションキャプチャー(人の動きをデジタルデータにする技術)を使って解析します。

 これまで複数のプロ野球チームほか、埼玉西武ライオンズの高橋光成選手や平良海馬選手、千葉ロッテマリーンズの美馬学選手ら各球団の10人ほどと契約しています。

 この他に、中学生以上を対象とした野球の球質解析、スポーツ放送向けのデータ解析サービスなども行っています。最近では、メジャーリーグの大谷翔平選手の投球・打球の解析を行いました。野球以外でも卓球「Tリーグ」中継のデータ解析などもしています。9月にはアイフォーンで打撃・投球のデータを取得・分析できるアプリ「ネクストショット」を発売しました。さらに、来年に向けて、本格的な測定施設を作ることも計画しています。

こどもの頃はどんな性格でしたか?

ひと言でいうと負けず嫌い、やんちゃだったと思います。毎日のようにプラスチックバットとビニールのボールを持って公園で野球をしていました。

こどもの頃の夢を教えてください。

プロ野球選手。それ以外は考えていませんでした。

こどもの頃によく読んでいた本があれば教えてください。

日本の歴史シリーズ。誰が、どのような環境下で、どのように天下を取ったかを読むのが楽しかった覚えがあります。「ドカベン」「キャプテン」などの野球漫画もほぼ全部読みました。

仕事をしていてよかったこと、大変だったことを教えてください。

(よかったこと)

・サポートしているプロ野球チームや選手が活躍してくれること

・いつもドキドキワクワクできること

・自分たちの仕事が社会の役に立っていると感じられること

(大変だったこと)

・予期せぬ出来事が起こり仕事に影響がでること(東日本大震災/リーマンショック/新型コロナ…)。大変なことが起こっても、野球を通じて諦めない気持ちを持てたことに感謝しています。

子どもたちにメッセージをお願いします。

・スポーツでも何でも、とにかくチャレンジして、たくさん失敗して、そして手に入れた成功を大事にして欲しいです。

・答えがないものに積極的に取り組んで欲しい。(考えて行動する姿勢を身に付けて欲しい。)

・結果よりも、それまでの過程の方が大事だと思っています。

(聞き手=和田肇 ・エコノミスト編集部)