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【ニュースがわかる2024年5月号】巻頭特集は10代のための地政学入門

ブックガイド『子どもから話したくなる「かぞくかいぎ」の秘密』

 皆さん、ご家庭ではいろいろな悩みがあると思いますが、子どもとどう接したらいいのか、どうしたら上手に育児ができるのか、これは誰にとっても永遠のテーマだと思います。

 「どうして言うことを聞いてくれないんだろう?」「なんでいつもそんなに飽きっぽいの?」というイライラもあれば、「ぜんぜん会話が成立しない」「共通の話題がない」なんてことも。

 いろいろ試してみてもうまく行かないという方のために、一つ提案があります。それは、家族のためにルールを作ること。作ったらそれを継続してみること。そのための、とっておきの本をご紹介します。

 その本とは、玉居子泰子さんの『子どもから話したくなる「かぞくかいぎ」の秘密』会議と聞くとすぐに仕事の匂いを嗅いでしまう人もいるでしょうし、家族会議なんて、相続とか介護とか、病気とか、なにか重大な問題が起きた時にするもの、と思う人もいるでしょうが、そんなに大上段に構えず、日常的に定期的にやってみましょうよ、というのがこの本の提案です。これ、言いそうで誰も言わなかった、目からウロコの提案だと思います。

 でもそんなこと、ウチでできるかなあ。やったことないし。そう思ってもだいじょうぶ。この本には、最初はなかなかうまく行かず、それでもなんとか継続して「かぞくかいぎ」を続けていく著者の家族の模様をはじめ、7つのさまざまなタイプの家族の実例が紹介されています。

 著者が取材で訪れた家族は、ワンオペ育児が問題になっていたり、お父さんの単身赴任、お母さんが再婚したステップファミリー(再婚や事実婚などによって生まれた血縁のないあたらしい親子関係など)、度々爆発する子どものかんしゃくをどうするかなど、実に多くの悩みを抱えています。それが「かぞくかいぎ」で少しずつ変化・解消されていく様子を読むことができるのです。

 ホワイトボード(そう、あの職場でよく使うホワイトボード)が実は「かぞくかいぎ」の場でもすごく役立ち、子どもの表現欲求や物事の整理にピッタリ、なんて具体的なアドバイスやコツも本書には満載。文章を補足するイラストも多彩で、モノクロとオレンジの2色を基調とした紙面は、シンプルではなやか、とても読みやすく、印象に残ります。

 継続は力なり、と言いますが、「かぞくかいぎ」こそ、まさにそれ。家族の現状を少しでも変えたい、と願っている方に、ぜひ手に取ってほしい本です。

(ニュースがわかるオンライン 編集部)

紹介した本はコチラ

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子どもから話したくなる
「かぞくかいぎ」の秘密

著者:玉居子泰子 出版社:白夜書房 定価:1650円

著者プロフィール

玉居子 泰子(たまいこ・やすこ)

1979年大阪生まれ。出版社勤務を経て、フリーランスの編集・ライターに。育児・教育雑誌『AERA with Baby』の編集・執筆に携わり、また、妊娠・出産、子育て、仕事、福祉などをテーマに、多様な媒体で記事を執筆。2015年頃、自身の家族との対話を見直したのをきっかけに、様々な家族の家族会議を取材し始め、本書のもととなった「家族会議のすすめ」(東洋経済オンライン)を執筆。さらに、関連記事も『AERA with Kids』、日経DUALなどに多数寄稿。NHK『おはよう日本』に出演するなど、その家族会議の様子が注目を集めている。ワークショップも実施中。二児の母。