反省会のせいで、次男の運動会に行けなかった――などの“PTAあるある”話に義憤に駆られ、息子の小学校のPTA会長を引き受けることに。多くが「おかしい」と感じているのに、連綿と受け継がれている旧態依然とした仕組みの数々。まさに「魔界」そのもの。
政治学者の岡田さんがによって綴られた、3年間にわたるPTA潜入&奮闘記『政治学者、PTA会長になる』の中で呼びかけた、「PTA『思い出そう、十のこと』」を紹介します。
「PTA『思い出そう、十のこと』」
一.PTAは、自発的に作られた「任意団体」です。強制があってはなりません。
二.PTAは、加入していない家庭の子供を差別しません。企業ではないからです。
三.PTAに人が集まらないなら、集まった人たちでできることをするだけです。
四.PTAがするのは、「労働」ではありません。対価のないボランティア「活動」です。
五.PTAのボランティア活動は、もともと不平等なものです。でも「幸福な不平等」です。
六.PTA活動は、ダメ出しをされません。評価はたった一つ「ありがとう」です。
七.PTA活動は、生活の延長にあります。家庭を犠牲にする必要はありません。
八.PTA活動は、あまり頑張り過ぎてはいけません。前例となって「労働」を増やします。
九.PTAは、学校を応援しますが指導はされません。学校と保護者は対等です。
十.PTAの義務は一つだけです。「何のためのPTA?」と考え続けることです。
新学期からはじまるPTAが憂鬱、どうしたらいいのか悩んでいる保護者の皆様におすすめの1冊です。
(ニュースがわかるオンライン編集部)
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政治学者、PTA会長になる
著者:岡田憲二 出版社:毎日新聞出版 定価:1760円
本書の目次
はじめに 千差万別だけど「自治」としてのPTA
第1章 手荒い歓迎
第2章 「変える」がもたらすもの
第3章 現場という偉大なる磁場
第4章 自分たちで決めるということ
第5章 コロナ禍になって見えたこと
おわりに 僕たちの持つ力を思い出す
(「ニュースがわかるオンライン」編集部)
著者プロフィール
岡田 憲治(おかだ・けんじ)
1962年東京都生まれ。1994年早稲田大学大学院政治学研究科博士後期課程単位取得退学。 立教大学法学部助手。日本学術振興会特別研究員を経て、現在専修大学法学部教授。専門はデモクラシー思想の研究。