「週刊エコノミスト」で幅広いジャンルの本を紹介している「話題の本」コーナー。その中から、親子で楽しめ、より深く知ることでタメになる本を厳選してご紹介します。
数字のインパクトは大きい。特にニュースにおいては、数字が導かれる文脈よりも先に数字そのものが大きく報じられることが多く、それが誤った世論を形成してしまうこともある。
著者は、統計を作るまでのサンプルの偏りや、何が何の原因かという因果関係の特定が難しいことを述べ、「ベイズの定理」「グッドハートの法則」といった統計の専門概念についてもユニークな語り口で平易に解説してくれる。数字にだまされないための視点を得られる本。
（「週刊エコノミスト」２２年３月８日号『話題の本』より）
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ニュースの数字をどう読むか
統計にだまされないための２２章
著者：トム・チヴァース 、デイヴィッド・チヴァース 、翻訳：北澤 京子
出版社：筑摩書房 定価：968円
本書の目次
プロローグ
第１章 数字はどうやって人を欺くのか
第２章 体験談というエビデンス
第３章 サンプルサイズ
第４章 サンプルの偏り
第５章 統計学的に有意
第６章 効果量（エフェクトサイズ）
第７章 交絡因子
第８章 因果関係
第９章 それは大きな数ですか？
第10章 ベイズの定理
第11章 絶体リスクvs相対リスク
第12章 測っているものが変わった？
第13章 ランキング
第14章 それは先行研究すべてを代表するものですか？
第15章 目新しさの要求
第16章 いいとこ取り（チェリーピッキング）
第17章 未来を予測する
第18章 予測モデルにおける仮定
第19章 テキサスの狙撃兵の誤謬
第20章 生存者バイアス
第21章 合流点バイアス
第22章 グッドハートの法則
結論および統計スタイルガイド
著者プロフィール
トム・チヴァース
サイエンスライター・作家。「テレグラフ」「バズフィード」を経て18年よりフリー。同年王立統計学会”statistical excellence in journalism”賞を受賞。著書に『AIは人間を憎まない』（飛鳥新社）。
デイビッド・チヴァース
ダラム大学経済学部助教授。専門はマクロ経済。
北澤 京子（きたざわ・きょうこ）
医療ジャーナリスト・京都薬科大学客員教授。著書に『患者のための医療情報収集ガイド』（ちくま新書）、訳書に『病気の「数字」のウソを見抜く』（日経BP）『過剰診断』（筑摩書房）。