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【ニュースがわかる2024年5月号】巻頭特集は10代のための地政学入門

中学入試の我が子のために親ができること①【日能研スタッフに聞く】

中学入試に向けた塾での勉強も、本格的な仕上げの期間。しかし、勉強にまだ身が入らなかったり、あせりだしたり、逆に過大な不安を感じ始めたり……というお子さんもいます。親はどう向き合えばいいのでしょうか。「未来への学び」を掲げ、毎年1万人を超える子どもたちの中学受験をサポートしてきた日能研。そのベテランスタッフのアドバイスを4回にわたってお届けします。

「あと69日」に「あと99日」だったら

Q:この時期、子どもたちはどんな心持ちでいるのでしょうか。

A:10月24日は何の日なのか、ご存じですか? この日は、東京・神奈川の私立中学の入試が始まる2月1日の100日前なのです。

 日能研では、全教室の受付にカウントダウンのボード=写真上=を出します。「あと95日」「あと80日」……。「あと69日」になったとき、「6」の数字をひっくり返して「あと99日」に変え、「これぐらい、あったらいいのになあ……」とつぶやいた男の子がいました。

 新型コロナウイルスによる今年特有の事情もあります。

 例年は10月初めまでに終わる運動会などの小学校の行事を、今年は11月まで後ろ倒しにした例もあるようです。そうした行事は小学6年生が中心の場合が多いので、子どもたちはそちらにも気持ちがいきますよね。

 一方、志望中学の文化祭や体育祭などのイベントが中止になったり、外部公開されなかったりして、志望校に実際に足を運べていない6年生も少なくありません。

 どうしよう、大丈夫だろうか……。子どもの心の変化は、見えるものばかりではありません。ストレートに表現しない子どもも多い、というのは6年生ならではです。

 だから、お父さん、お母さんは、「ごはんの量がいつもより少ない」「口数が少なくなった」、あるいは逆に「妙にはしゃいで、テンションが高い」などの、我が子のちょっとした変化に気づいてあげてほしいですね。子どもの心の変化を見守る。そして、時には子どもの気持ちを聞いてあげてほしい。

とっさにお風呂で髪を洗ってあげた

Q:数え切れないくらいの親子と伴走してきて、印象に残っている親子はいますか。

A:「今日は娘がなかなかお風呂から上がってこない」……。それに気づいたお母さんがお風呂をのぞくと、娘が泣いていたそうです。「どうしたの?」と聞いたら、「どうしてもあの学校に入りたい」と。そのお母さんはどうしたと思います? 夕食の後片付けなどもあったろうに、その場でお風呂に入り「あなたなら大丈夫よ」と髪を洗ってあげたそうです。

 勉強していない時間のほうが、大切なのかもしれません。リラックスして一緒にいる中で、本音が出やすく、変化もキャッチしやすい。


                   続きは10月23日に配信予定です。