巻頭特集では、脳の仕組みや記憶のメカニズムについて学びましたね。ここではミスをした時の気持ちの立て直し方や、人それぞれの〝脳の傾向〟について、シーマ先生と一緒に考えてみましょう。
Bさん:この間、サッカーの試合でPKを外しちゃった。「気持ちを切り替えて」って言われても、何度もそのシーンを思い出しちゃう。覚えたいことはすぐ忘れちゃうのにな
Aさん:それで元気がなかったんだね。君がミスしたんじゃなくて、相手のキーパーがスーパーセーブだったんじゃない? 気にすることないよ。次の試合でがんばろう!!
Cさん:私も友達とケンカすると落ち込んじゃう。そんな時はお母さんとお菓子を作るんだ。量ったり混ぜたりするうちに気持ちもスッキリして、できあがる頃にはあしたは仲直りしようって思えるよ
シーマ先生そうだね。いったん全く関係ないことに集中するのは、気持ちを切り替えるのによい方法だね。繰り返して思い出すと、記憶はどんどん鮮明になっていく。これは脳の構造上、覚えたいことでも、嫌なことでも同じなんだ。だから、失敗した時、「自分はダメだ」とは思わないでね。「反省」するよりも大切なことがあるんだけど、それは何だと思う?
Cさん:う~ん、うちのお姉ちゃんは一晩寝ると忘れるタイプ。だから、たっぷり眠ることかな。あと、きょうだいでもが性格が違うから、自分に合った気分転換を見つけるのがいいのかな
Bさん:確かに反省って後悔するイメージだよね。そういえば、あの日、集中できなかったのは、寝不足も原因だったかも。早寝早起きすることにして、練習メニューもコーチと相談してみよう
Aさん:ブラボー!! 見事に立ち直ったね。テストで落ち込んだ時も同じだね。「どうして間違ったんだろう」「今度それを避けるには?」って分析して、解決策を考えればいいってことだよね
シーマ先生からのひとこと:みんな、すごいな!! 「反省」より、「分析して対策を考えること」が大切なんだ。落ち込むだけでは何も解決しないからね。もちろん、脳細胞にとっては睡眠も大事だし、〝脳の傾向〟も人それぞれ違うよ。目で読むよりも耳で聞くほうが理解しやすい人もいれば、書くと覚えられる人もいるよね。だから、勉強方法もいろいろ試して、自分に合ったやり方を見つけてほしいな。
取材協力:日能研 イラスト:しばざきとしえ