【ニュースがわかる2024年6月号】巻頭特集は地震大国ニッポン 被害を減らすために

スクールエコノミスト2023 WEB【女子学院中学校編】

スクールエコノミストは、私立中高一貫校の【最先進教育】の紹介を目的とした「12歳の学習デザインガイド」。今回は女子学院中学校を紹介します。

キリスト教が他者への思いやりを育み 家庭科教育が自立心と実践力を培う

<3つのポイント>

①人生の大きな礎となるキリスト教教育

②全ての学び・教科を等しく大切にし、広い視野と知性を育む

③生活に根差した生きる力となる自立心と実践力を培う家庭科教育

キリスト教精神の根づく学校生活が個の尊重と他者への理解を深める

 創立以来、キリスト教精神を教育の根幹とし、自らに問う姿勢を持った女性の育成を目指す女子学院。「与えられた賜物を自分のためだけでなく、他者や弱い者に寄り添いながら世のため社会のために活かしていく。そのために自らに問い続け、知見を得るために学ぶ6年間」と鵜﨑創院長が語るように、日々の学校生活にはキリスト教精神が根づく。毎朝の「礼拝」や週1時間の「聖書」の授業は、自分と向き合い自己を確立させる大切な時間だ。また、一人ひとりが大切な存在であるという「個の尊重」と同時に個々が違った存在であることを認める「他者への理解」を深める時間でもある。

 これらが自由闊達な議論を繰り広げる伝統の「中2ごてんば教室」や「高3修養会」の根幹となっているのは間違いない。生徒は常に相手の意見を尊重し受け入れたうえで、確固たる自分の意見を、相手に理解しやすく伝える努力を続ける。「中2ごてんば教室」が同校の入り口と言われる所以もここにある。そして、この経験は、その後の生徒たちの大きな礎となっている。

一人実習で個々の段階を大切に全体を見通す力を育む

 女子学院では受験科目の学習に偏ることなく、全ての学び・教科を等しく大切に考えることで広い視野を持った知性豊かな人になる基礎を培う。中1から高1まで必修の家庭科は、第4代院長の三谷民子が問い続けた『生活に根ざした常識と信念を持つ人間の育成』を受け継ぐ、自立心と実践力を育む同校教育の芯となる象徴的な科目だ。

 中1ではクラスを2つに分けた分割授業で一人ひとりに目を配る。家庭分野ではエプロンドレスの製作や編み物、調理実習、技術分野ではミシンの仕組み、パソコン、情報モラル、プログラミングを学び、「失敗を繰り返しながらも基礎を習得していく」と家庭科の武井教諭。調理実習では作業分担せずに、全工程を一人でやり抜くのが特徴だ。理論だけでなく、手を動かし実践する多くの実習を通じ、物を作る中で下準備も含めた一つひとつの段階を大切にする姿勢や全体を見通す力を育む。

 中2ではハーフパンツやトートバッグを製作。トートバッグに思いおもいのステンシルを施し、学校生活で活用。絞り染めの実習を通し、日本の伝統文化にも触れる。そのほか調理実習、栄養学、保育も学ぶ。中3になると、社会とのつながりへと視野を広げるために、防災食を含む調理実習や食品学、衣服管理、シャツブラウスの製作をし、家庭電気・機械、住居を学ぶ。

一人調理実習の様子