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【ニュースがわかる2024年6月号】巻頭特集は地震大国ニッポン 被害を減らすために

271の学習塾が勧める学校はどこ?【2024年入試 首都圏オススメ私立中学校ランキング①】

間もなく中学入試の志望校を決める時期。大学合格実績や偏差値、通学時間などを考えると迷ってしまう保護者も多いでしょう。そんな時に頼りにしたいのがエキスパートの意見。学習塾の塾長、教室長が勧める中高一貫校はどこか、『サンデー毎日』と大学通信は首都圏271の学習塾の塾長・教室長に緊急アンケートを実施。さまざまなポイントからオススメの私立中学校を回答してもらいました。(サンデー毎日2023年10月8日号より)

高まる私立中学校の人気

 首都圏の中学受験の志願者は9年連続で増加している。首都圏中学模試センターの集計では、2023年入試の受験者数は約5万2600人で、前年より約1500人増加した。受験率も17.3%から17.9%にアップしている。

 アンケートではまず、来年入試の志願者数について聞いてみたところ、来年は「今年以上」という回答が9割を超えた(少し増える:57.9%、変わらない:28.8%、大きく増える:4.1%)。来年も中高一貫校の人気は引き続き高いと見られており、入試が厳しくなりそうだ。

 私立中学校の人気の理由についても聞いた。トップは「私立の面倒見の良さ」で50.9%、次が「公立教育への不信」で50.2%、「私立の施設・設備の優位性」47.2%、「大学合格実績が公立に勝っていること」41.7%、「高校入試がないゆとり教育」40.6%の順だった。

 公立と比較して私立教育への信頼が高いのが分かる。コロナ禍での休校時、私立校は生徒の学力を低下させないためにオンライン授業などを素早く実施し、保護者の信頼を得た。以後、私立中人気が高まっている。

 今回のアンケートでは、①面倒見が良い、②生徒や保護者の入学後の満足度が高い、③入学時の偏差値に比べ、大学合格実績が高い、④最近、大学合格実績が伸びていると思われる、⑤グローバル教育に力を入れている、⑥理数教育に力を入れている、⑦探究学習に力を入れている、⑧保護者に人気がある、⑨生徒や保護者に勧めたい――の項目別に学校を選んでもらった。5つの学校名を連記で記してもらい、最初の一貫校を5ポイント、次を4ポイント……とカウントして集計した。

①面倒見が良い

 トップは14年連続で京華だ。2位は駒込、3位は常総学院土浦日本大中教桜丘だった。

順位学校名所在地男・女・共ポイント
京華東京男子120
駒込東京共学65
常総学院茨城共学34
土浦日本大中教茨城共学34
桜丘東京共学34
大学通信「【特集】学習塾が勧める 中高一貫校ランキング」より

 京華は125年以上の伝統がある男子校で、元々、面倒見の良さでは定評がある。「生徒が無理なく学力・精神力を向上させている」と学習塾が評価している。

 24年度からは京華女子中高が移転し、男子校の京華と共学校の京華商業高の3校が同一キャンパスになる。学校は別だが、文化祭などの行事や英検などの特別講座、一部の部活が合同で実施される予定だ。男女別学の良さを保ちながら、互いの交流も深められ、人気アップが予想されている。

②生徒や保護者の入学後の満足度が高い

 トップは渋谷教育学園幕張、2位が京華、3位が豊島岡女子学園、4位が城北、5位が市川だ。トップ上位校から中堅校まで幅広く学校が選ばれているのが特徴だ。

順位学校名所在地男・女・共ポイント
渋谷教育学園幕張千葉共学37
京華東京男子36
豊島岡女子学園東京女子33
城北東京男子32
市川千葉共学31
大学通信「【特集】学習塾が勧める 中高一貫校ランキング」より

 安田教育研究所代表の安田理さんがこう話す。「豊島岡女子学園は大学合格実績が高いことから勉強ばかりしているイメージが強いですが、クラブ活動が全員参加だったり、SSH(※)にも指定されています。受験勉強だけでなく、多様な取り組みから学校生活が充実していると感じる保護者が多いのでしょう」

※スーパーサイエンスハイスクール。文部科学省が科学技術、理科・数学教育に関する研究開発などを行う高校・中高一貫校を指定し、先進的な理数系教育を支援する制度

③入学時の偏差値に比べ、大学合格実績が高い

 こちらのトップも京華だ。昨年の2位から返り咲いた。2位は駒込、3位は常総学院、4位は昌平、5位は安田学園だった。いずれも近年合格実績が伸びている学校だ。

順位学校名所在地男・女・共ポイント
京華東京男子100
駒込東京共学52
常総学院茨城共学42
昌平埼玉共学38
安田学園東京共学36
大学通信「【特集】学習塾が勧める 中高一貫校ランキング」より

 京華の今春の大学合格実績は東京工業大・電気通信大・横浜国立大各1人、早稲田大5人、慶應義塾大1人、東京理科大10人、明治大14人など。駒込は東京学芸大5人、筑波大3人、北海道大・千葉大・東京芸術大各2人、東京工業大1人、早稲田大11人、慶應義塾大7人、上智大10人、東京理科大30人、明治大36人などだ。ともに難関大合格者が増加傾向だ。【大学通信・大野香代子】

 

次回は10月20日(金)に配信予定です