【ニュースがわかる2024年7月号】巻頭特集は「沸騰」する地球の未来

スクールエコノミスト2023 WEB【東邦大学付属東邦中学校編】

スクール・エコノミストは、私立中高一貫校の【最先進教育】の紹介を目的とした「12歳の学習デザインガイド」。今回は東邦大学付属東邦中学校を紹介。

体験型学習で育まれた多角的思考力が研究レポートでアカデミックな力へと発展

<3つのポイント>

①社会とつながった大学の学問に触れる「学問体験講座」

②異文化交流を通して広い視野を育む「国際理解教育」

③興味あるテーマを学問的な視点でまとめる「レポート作成」

本格的でハイレベルな「学問体験講座」で学びに対する自主性や原動力を培う

 東邦大東邦が重視するリベラルアーツ教育では、文理の垣根を越えたさまざまな体験学習を用意している。この学習の目玉といえるのが、東邦大学や東邦大学医療センターの協力を仰ぎ、最先端の研究や実習を体験する「学問体験講座」だ。薬の調合や衛生看護学に基づく感染症対策の実習、放射線でDNAの変化を追跡する実験のほか、昨年は薬学部で「がんの遺伝子検査」「DNA鑑定による個人識別」などの講座を実施。DNA鑑定の講座では、実験をしながらクイズ形式で犯人探しをする設定で進行。生物や化学の実験的要素を散りばめた横断的な学びは、将来の職業につなげるキャリア教育的な意義もあるという。

 数ある講座の中でも多くの参加者を集めているのが「ブラックジャックセミナー」だ。これは医学部志望者向けの医療体験プログラムで、高1の希望者約30名が提携先の病院に赴き、内視鏡手術シミュレータを用いた手術体験や、電気メスで模擬皮膚を切開、縫合する本格的な内容となっている。

 中高課程の日々の学習は、社会とのつながりがイメージしづらいものでもあるが、「大学の最先端の学びを垣間見ることで、自分はこういうものに興味があるんだという気づきや再確認の場にもなります」と岡田美秀広報部長。少し背伸びをして大学の研究に触れることで知的好奇心が刺激され、主体的な学びの原動力が培われるのだ。

英会話の度胸を育む「Power in ME」

海外や校内での国際交流を通して将来の進路選択の幅を広げる

 東邦では、国際理解教育を豊富な学習プログラムの中でも重要となるものの一つとして位置づけ、希望者を対象としたオーストラリア研修を8月に約10日間の日程で行っている。近年はコロナで中止されていたが、今年はクロスカルチャーコースを実施予定で、現地の語学学校での授業と、ホームステイによる異文化交流を体験することができる。環境問題の研究などをメインとするサイエンスコースも復活に向けて準備を進めている。

 また、8月上旬にハーバード大学生7~8名と交流する「SLICE」は、英語を使って様々な話題について議論するプログラム。ある程度の英語力を持つ生徒が、世界屈指のハーバード生との交流を通じて、世界のエリートの一つのモデル、目標を目の当たりにする機会となっている。昨年は、オンラインで「ジェンダー」「環境」「冒険する価値」などをテーマに3日間の議論を展開した。参加した生徒は自らの英語力のレベルを実感し、さらなるブラッシュアップに向けた手応えを感じているという。そして何より、世界のエリートは学力だけでなく人間的にも優れていることに感動する生徒も多く、満足度が高いプログラムとなっている。

 さらに昨年初めて実施されたのが、海外から日本に留学している留学生と交流を深めるプログラム「Power in ME」だ。8月の3日間、自己紹介や好きなものを話題にした簡単な日常会話でコミュニケーションをはかる。初めは英語に不安だった生徒も、過ちを気にせずにどんどん話してみようというコンセプトに従って挑戦することで自信をつけていく。もともと海外研修に代わる学びとして導入したプログラムだが、また参加したいという生徒が多く大好評だった。

習得した知識をレポートにまとめ高度なアカデミックスキルを習得

 高校の総合学習では、生徒各自が自分で探究したいテーマを設定し、担当教員の指導のもと、約2年間かけてレポートを作成。テーマは「地球温暖化と生態系」「テレビドラマから学ぶ法医学について」「バレーボールと性格の関係」などで、この取り組みは大学での研究の際に必須となるアカデミックスキルの習得につながっていく。「これからの時代は一つの学問の領域に留まらず、多様な学びで幅広い視点を獲得することが重要。本校の理念でもある“自然、生命、人間とは何か”という根源的な問いを持ち続け、社会にどう貢献できるのかを常に考えられる人になってほしい」と岡田教諭は力強く語る。

(文/佐久間香苗)

●学校データ

所在地       〒275-8511 千葉県習志野市泉町2-1-37

TEL        047-472-8191

学校公式サイト   http://www.tohojh.toho-u.ac.jp

海外進学支援    有

帰国生入試     有

アクセス

津田沼駅(JR総武線)よりバス15分

京成大久保駅(京成本線)徒歩10分

国内外大学合格実績(過去3年間)

東京、京都、東京工業、一橋、北海道、東北、名古屋、大阪、九州、東京医科歯科、東京農工、東京海洋、東京外国語、お茶の水女子、筑波、千葉、旭川医科、滋賀医科、東京都立、国際教養、防衛医科、慶應義塾、早稲田、上智、東京理科、国際基督教、東邦、自治医科、東京慈恵会医科、日本医科、順天堂(医)など