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【ニュースがわかる2024年5月号】巻頭特集は10代のための地政学入門

スクールエコノミストWEB【女子学院中学校編】

スクールエコノミストは、私立中高一貫校の【最先進教育】の紹介を目的とした「12歳の学習デザインガイド」。今回は女子学院中学校を紹介します。

キリスト教がベースの自由な校風 神の導きにより人生の「道が開く」

<3つのポイント>

① 「聖書」や「礼拝」を通じて真理を求める教育

② 「自由闊達な話し合い」を起点に、学ぶ意義と楽しさを実感 

③ 実社会で活動するさまざまな人との関わりから世界を学ぶ

各分野で活躍する人たちから社会・世界を学ぶ

 創立以来、キリスト教精神を基盤とした全人教育を受け継ぐ女子学院。個を尊重するリベラルな校風で、生徒が自ら考え、自ら学ぶことに軸を置く。同校の生徒は、基礎学力の充実を目指すと同時に「どう生きるか」という問いと真摯に向き合う機会に恵まれる。その1つは、定期的に開かれる講演会だ。講演会には、学者、作家、社会貢献活動に携わる卒業生など、各界の第一線で活躍するゲストが招かれる。文系・理系の枠にとらわれずに幅広い世界を垣間見ることで生徒たちの興味の幅がおのずと広がっていく。

 講演会は生徒会がゲストの選定にも携わる。例年、予め設けられた質疑応答の時間では足らず、講演終了後に個別の質疑応答を望む生徒の列ができるというのは、アクティブな同校らしさを表すエピソードだ。

 平和教育に力を入れる同校では、高1で広島を訪れる機会も持つ。事前学習や被爆者から直接話を聞くことを通じ、想像力を駆使して当時の空気を追体験する。過去・現代・未来のつながりを実感しながら、戦争を多面的に考察し「未知のできごとが起こったときに、自分ならどうするか」という重厚な問いに挑むことにつながっていく。

深い議論を通じて「生き方の軸」を見いだす

 このような生徒たちが主体的に学ぶ姿勢は、学校行事や日常授業の議論を通じて育まれる。中でも同校らしさを象徴するのが『ごてんば教室』と高3の『修養会』だ。

 『ごてんば教室』は、同校の“入口”とも呼ばれる2泊3日の宿泊行事。生徒たちは、テーマのもとに講演を聞き、グループディスカッションを行う。相手を“論破”するのではなく、誰もが参加できるように、場を共にする一人ひとりが互いの発言の価値を見いだしていく初めての体験をする。

 同じく2泊3日の『高3修養会』は6年間の集大成とも呼べる行事だ。これからどう歩んでいくのか、また事前テーマを設定し、紛争や貧困、難民など地球規模の問題から身近な悩みまで幅広く扱い、話し合う。

 このような自由闊達な意見交換のベースとなっているのが同校に脈々と受け継がれたキリスト教精神だ。毎日の「礼拝」や「聖書」の授業は、自己を確立させるための大切なひとときとなっている。一人ひとりが大切な存在であるという「個の尊重」と個々が違った存在であることを認める「他者の理解」。一見、相反する価値観が教育の両輪となり、生徒たちを活気づける。「入学前には発言をすることが苦手だった生徒も、自分の意見が必ず受け入れられるという経験を重ね、臆せず自分の意見を発言するようになります」と鵜﨑院長は語る。

 6年間、あらゆる問題に対して「当事者」の視点を持って充実した議論を繰り返した生徒たちは確固たるアイデンティティを形成していく。

聖書の時間では広い視野と客観的な視点を学ぶ