アメリカのバイデン大統領は1月11日、アメリカ軍とイギリス軍などが現地時間12日未明にイエメンの親イラン武装組織フーシ派に対して空爆などを行ったと発表しました。(「Newsがわかる2024年3月号」より)
フーシ派は紅海で民間の商船などを標的にした攻撃を繰り返しており、アメリカなどは1月3日、フーシ派に攻撃をやめるよう警告していました。今回の空爆でフーシ派や後ろ盾であるイランは反発を強めるとみられ、紛争が拡大する恐れもあります。
アメリカ、イギリスによる攻撃は、オーストラリアやバーレーン、カナダなどが支援したとみられます。アメリカ空軍は16の軍事拠点にある司令部や弾薬庫など60カ所以上の標的を空爆したと発表しました。一方、フーシ派は戦闘員5人が死亡したと明かし、報復を宣言しました。
フーシ派は2023年10月にパレスチナ自治区ガザ地区でイスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘が始まってから、紅海でイスラエルに関連がある船舶を標的にすると表明。同年11月には日本郵船が運航する船舶を捕らえ、1月9日には商船を護衛するアメリカ軍などの艦船に大規模な攻撃を行いました。

アメリカ、イギリス両軍の空爆に抗議し、イスラエルとアメリカの国旗を燃やすフーシ派支持者ら=イエメン・サヌアで1月12日、ロイター/共同
