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【ニュースがわかる2024年5月号】巻頭特集は10代のための地政学入門

福島第1原発 処理水を海洋放出 漁業者ら反対のまま

東京電力は8月24日、福島第1原子力発電所(福島県双葉町、大熊町)でためている処理水の海洋放出を始めました。(「Newsがわかる2023年10月号」より)

 処理水は、2011年3月の原発事故で建物内に溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)の冷却水や燃料デブリに触れた地下水などの汚染水の放射性物質濃度を、多核種除去設備「ALPS」で国の基準値未満に下げたものです。

 処理水をためていた敷地内の1000基以上のタンクはほぼ満杯で、原子炉を撤去する廃炉作業の妨げになるとして放出準備が進められていました。放出を終えるまでに30~40年かかるともいわれています。

 岸田文雄首相は8月21日、海洋放出によるうわさやデマで水産物の売れ行きが落ちる風評被害を心配する全国漁業協同組合連合会(全漁連)の幹部と面会。漁業者への長期的な支援を表明しましたが、全漁連側は海洋放出に反対する立場を伝えました。しかし岸田首相は8月22日、これまでの説明や意見交換で関係者から一定の理解を得たと判断して海洋放出の開始を決めました。

処理水の海洋放出が始まった東京電力福島第1原発=8月24日午後1時7分

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