「大人が読書をすすめる時って、『国語ができる子になってほしい』『作文が上手に書けるようになってほしい』という、勉強と結びつけた願いと表裏一体になっていることが多い気がします。でも、子どもには大人のそんな願いはお見通しですよね」と辻村さん。だからこそ、今回は、「読書って本来は楽しいもの」という辻村さんの原点に立って、自身も夢中になった、いま、皆さんにおすすめする6冊を紹介します。そのうち3冊は、デビュー20年を迎えた辻村さんの著作の中から選んでもらいました。(「Newsがわかる2024年6月号」より)
あなたの言葉を
辻村深月・著 2024年、毎日新聞出版
辻村さんの最新刊。ゆっくり、じっくり「あなたの言葉」を見つけてほしい、そのお手伝いがしたいとつづった。毎日小学生新聞で人気の連載。
辻村さん 気持ちをうまく言葉にできない瞬間はたくさんあると思います。私もそうでした。特に学校では周りに合わせなくてはいけない状況も本当によくある。だけど、そこで感じた違和感や、もやっとした気持ち、それってなぜなのか、を流すことなく立ち止まって一緒に考えられるような本になれば、と願って書きました。