2023年のノーベル賞が10月に発表され、生理学・医学賞はアメリカ・ペンシルベニア大学のカタリン・カリコ特任教授(68)とドリュー・ワイスマン教授(64)の2人に決まりました。2019年末に発生した新型コロナウイルスの感染などを抑える、メッセンジャー(m)RNAワクチンの早い開発を可能にした研究が高く評価されました。(「Newsがわかる2023年12月号」より)
感染や重症化抑える
新型コロナワクチンに使われるmRNAという物質には、ウイルス表面の「スパイクたんぱく質」の設計図となる情報が人工的に含まれています。これを接種すると体の中でスパイクたんぱく質が作られ、免疫(体に入ったウイルスや細菌などを見つけ、取り除く仕組み)ができます。
同じスパイクたんぱく質を持つウイルスが体に入ると「敵」とみなして攻撃し、新型コロナの感染を防いだり重症化しにくくしたりします。
アメリカ・ファイザー社製の新型コロナワクチン