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【ニュースがわかる2024年5月号】巻頭特集は10代のための地政学入門

80億人を突破! 世界人口どこまで増える?

今、世界の人口は80億人を超えています。特にインドやアフリカの国々で増加が著しく、2023年中にはインドが中国を抜いて世界で最も人口が多い国となるそうです。日本の人口は減少し続けていますが、果たして世界の人口はどこまで増え続けるのでしょうか。(「Newsがわかる2023年9月号」より)

80億人を超えた世界人口

 19世紀の初め、世界の人口は10億人ほどでした。産業革命(※)を経て、20世紀に入ると西ヨーロッパを中心に人口が急増し60億人まで増えます。そして、2010年には70億人に、それからわずか12年後に80億人に到達したのです。

 その背景には、公衆衛生の向上や医療の進歩で、母子の死亡率(一定の人口に対するその年の死亡者数の割合)が低下し、平均寿命が延びたことがあります。

 国連の「世界人口推計2022年版」によると、2050年までに人口が大きく増えると見込まれているのは、エジプト、エチオピア、インド、ナイジェリア、パキスタン、フィリピン、タンザニア、コンゴ民主共和国の8カ国です。

※生産活動の中心が「農業」から「工業」へ移ったことで生じた社会の大きな変化のこと。18世紀の後半にイギリスで始まった。

世界人口は2030年におよそ85億人、2050年には97億人になる予想

国連の「世界人口推計2022年版」を基に作成

 国連は毎年、世界人口デー(7月11日)に、世界人口に関する推計値をまとめた報告書「世界人口推計」を発表する。世界人口デーは、世界人口が50億人を突破した1987年7月11日を記念して制定された。
アフリカで人口が爆発的に増える!

 今後、世界人口の増加を支えるのはアフリカです。ナイジェリアやエチオピア、コンゴ民主共和国、タンザニアなどサハラ砂漠以南の国々が、2050年までの世界人口の増加数の半数以上を占める見通し。また、同年までにアフリカ全体の人口は24億人を超え、世界人口の4分の1に達し、人口爆発が続くといいます。

 一方で、日本を含む61の国と地域では、出生数(生まれた子どもの数)の低下などから2050年までにそれぞれの人口が1%以上も減る見込みです。そして、2080年代中に世界の人口は104億人でピークを迎えるとみられています。

人口爆発   世界全体や国・地域の人口が急激に増えること。出生率(一定の人口に対するその年の出生数の割合)が上がり、死亡率が下がることで起きる。出生率が高い状態が続くことはあっても、医療の発達などで死亡率の低下には限界があるので、一つの地域に一度しか起こらない。