海の水をなめると、塩からい味がします。雨や川の水はしょっぱくないのに、どうして海の水はしょっぱいのか不思議ですね。その理由は、「海の水がどうやってできたか」に隠されています。
地球が誕生したのは今から約46億年前。小さな惑星がたくさん落ちてきて、地球の表面は1000度以上もあるドロドロの溶岩におおわれていました。小さな惑星の中には、水蒸気やさまざまなガスが閉じ込められていたため、それが地球との衝突(しょうとつ)によって空中にたまっていきました。
やがて高温だった表面が冷えてくると、空中にあった水蒸気は雨となり、大量に地上に降り注ぐようになります。これが海のはじまりです。雨には大気中の塩素ガスが溶け込んだため、最初の頃は「酸っぱい」海水だったと言われています。塩素を含んだ酸っぱい海水が、岩石に含まれるナトリウムを溶かして結びつき、少しずつ現在のような塩化ナトリウムを含む水に変化していったと考えられています(※海の成り立ちにはいろいろな説があります)。塩化ナトリウムは食塩の主成分。つまり、しょっぱいのは海水に「塩」が含まれているからです。
海水は年間425兆トンも蒸発します。蒸発する時に塩分は海に残るので年々しょっぱくなりそうですが、蒸発した水が雨となって385兆トン降り、川から40兆トンの水が海に流れ込んでいるので、実は海水の量は一定です。そのため塩分の濃さも変わりません。(編集部)