冷凍食品を科学的にみてみましょう。冷凍のメカニズムや冷凍のメリットなどを、日本における冷凍学の第一人者、東京海洋大学の鈴木徹さんに聞きました。(「Newsがわかる4月号」より)
◆凍らせると腐らない?
冷凍とは、「食べ物に含まれる水分を凍らせる」ことです。例えば肉や魚、野菜などは60%以上が水分なので、マイナスまで温度を下げると、細胞や組織に含まれる水分が集まって、氷の粒(氷結晶)が大きくなっていきます。
冷蔵庫の冷凍室内の温度(マイナス18度以下)では、食べ物が腐る原因となる微生物(=ばい菌)の活動が止まります。そのため冷凍すれば、腐らせることなく永久的に保存できるというわけです。