新型コロナウイルスを徹底的に封じ込める政策をとってきた中国政府が12月7日、厳しいルールを大幅にゆるめることにしました。感染者が出た地域を封鎖するといった厳格な政策に抗議し、「自由」を求める大規模なデモが中国全土に広がったためです。急な方針転換に、市民の間には混乱も起きています。(「月刊Newsがわかる23年2月号」より)
◆全土で「反ゼロコロナ」 のデモ
きっかけは、ゼロコロナ政策により封鎖が続く新疆ウイグル自治区ウルムチ市でのマンション火災でした。11月24日に起きたこの火災は、封鎖の影響で消防車の到着が遅れ、10人が死亡。厳しい政策への住民の怒りが爆発し、抗議デモは瞬く間に上海市や北京市など全土に広がりました。
共産党による統制が厳しい中国で、大勢の市民が政府を批判するのはとても珍しいことです。過酷な政策に対する多くの市民の我慢が限界を超え、政府や習近平国家主席への憤りにつながりました。