週刊エコノミスト編集部が執筆する毎日小学生新聞「15歳のニュース」内コラム「これって経済? 」は、経済にまつわる数字を解説します。
今回の気になる数字は「1兆」。とても大きな数字ですが、いったい何の数字を表しているのか、詳しくみてみましょう。
日本の農林水産物(野菜や果物、魚介類など)と食品の合計輸出額が2021年、初めて1兆円を突破した。農林水産省のまとめでは、前年に比べて25・6%(2522億円)増えて1兆2382億円になったという。
輸出額が特に多かったのは、「牛肉」の537億円(前年比248億円増)、「日本酒」の402億円(同160億円増)、「リンゴ」の162億円(同55億円増)など。海外でも新型コロナウイルスの影響による外出制限が解除されて外食需要が回復したことや、オンラインサイトでの販売が好調だったことが背景にあるという。
国別では、中国向けでホタテ貝や日本酒などアルコール飲料の輸出が増え、米国向けでブリや牛肉の増加が目立った。
日本の農林水産物や食品は、味や品質が良いとして海外で高く評価されている。しかし、これらの日本全体の生産額に占める輸出額の割合はまだ2%と少ないのが実態だ。そのため、日本政府はさらなる輸出拡大のチャンスがあるとみて、輸出額を25年までに2兆円、30年までに5兆円に拡大する目標を立てている。
この高い目標を達成するには、国・地域ごとにニーズがある品物を調査して販売を強化したり、輸出に挑戦する産地や事業者を金融面で支援したりといった、「オールジャパン」での支援態勢が必要になりそうだ。
(毎日小学生新聞 22年7月9日掲載より)
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