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【ニュースがわかる2024年5月号】巻頭特集は10代のための地政学入門

子どもと英語が好き!児童英語指導者として活躍中のママ座談会【後編】

子どもと英語が好きな方の中には、「児童英語の先生になってみたい」と思ったことがある方も多いのではないでしょうか。
とはいえ、児童英語の先生になるためには何を学習したらよいのか分からない、子育てと両立できるのか不安…という方も少なくないでしょう。
そこで今回は、子育てをしながら現役の児童英語指導者として活躍している先生2名をお招きし、先生になった経緯や指導現場の様子などを本音で語っていただきました。
【前編はこちら
【後編】の今回は、自身の子どもへの英語教育についてや、児童英語指導者として意識していることなどについて聞きました。

<話を聞いた方>
■篠原 麗香 先生
神田外語大学外国語学部英米語学科卒業。児童英語講師養成講座修了。J-SHINE®有資格者。神田外語キッズクラブ講師。児童英語指導者として13年のキャリアを持ち、乳児から小学校6年生までのクラスを担当。二児の母として自宅でも英語教育を実践中。キッズクラブの0・1・2歳クラス、2・3歳クラスのプログラム開発担当。保護者様向けの子育て英語講座の開発および指導者としても活躍中。

■時澤 葉子 先生
神田外語大学外国語学部英米語学科卒業。児童英語講師養成講座修了。J-SHINE®有資格者。神田外語キッズクラブ講師。現在、乳児クラスの指導をメインで担当。明るく誠実な人柄で、保護者と子ども達の心を掴んで離さない魅力的なレッスンを行う人気講師。二児の母としての子育て経験を、児童英語指導現場でも生かしている。

――先生方は、ご自身のお子さんの英語教育はどうしていますか?

篠原先生:自分が英語教育の道に進んでいるということもあるので、小さいうちから英語に触れさせたいとは思っていました。小さいうちはあやしながら英語の歌を歌ってみたりしていたのですが、幼稚園くらいになってくるとだんだんと難しくなってきて。英語をやってほしいけど、「今は嫌だ」と。そういう時は強要しませんでした。
ただ、最近になって小学校に上がり、学校で英語の授業を受けるようになってから、「これってどういう意味?」と聞いてくるようになったんです。うちの子の場合は、小学生になってからの方が英語というものに向き合えている気がします。

時澤先生:私も小さい頃から教えたいと思っていたのですが、やってるうちに一方通行になっているように感じたんですね。私だけ一生懸命で、子どもには全然響いてないんじゃないかと。
夫もあまり協力的ではなかったので、私だけが一人で頑張っても意味がないと思って、スパっとやめました。子どもが英語に興味を持ったら、その時は一生懸命サポートするつもりでした。
やはり幼稚園に行くと英語に関わるようになって、「ママ、この歌知ってる?」と尋ねてくるようになりました。小学校に上がるとそういうことがさらに増えて、「先生がこういうことを言ってたんだけど、ママ分かる?」と聞いてくるんです。子どもが聞き取ったまま話すので正確ではないのですが、推測して意味を教えて。そして学校に行って帰ってきたら、「当たってたよ!」と。

最近は発表の練習に付き合ってと言われるようにもなりました。子どもの勉強に関われているのが嬉しいですね。子どもの質問に私が答えられるので、「ママって英語できるんだね!」と子どもも嬉しいみたいです。親子でそういうことができるようになったのは、この仕事をやっていてよかったと思うところです。

――先生としての勉強にもなりますね。

時澤先生:私が神田外語キッズクラブの児童英語講師養成講座(以下:養成講座)を受けていたときにコロナ禍に突入して、子どもたちが学校に行けなくなったんですよね。その時に、講座で用意されていたレッスンプランを使って子どもたちに教えてみたんです。
当時は外にも出られない状況だったので、子どもたちも「今日も英語やる?」とすごい楽しかったみたいで。子どもと一緒に英語ができたのは、私も勉強になったのですごくいい経験だったと思います。
レッスンで使う副教材を作るときも、子どもたちに感想を聞いています。「もっとかわいくした方がいいと思う」と言われたりするので、子どもの反応を見てから取り入れるようなりました。

座談会の様子(左:時澤先生、右:篠原先生)

――レッスンで先生として意識していることやコツはありますか。

篠原先生:ちゃんとみんなが発話できているか、リピートしているかというのは昔から意識しているところです。一方通行では絶対意味がないので、興味を持って聞いてくれて、何か言ってくれるというキャッチボールができればいいと思っています。
外国人先生とのティームティーチングでもそうですね。どうしても外国人の先生がメインになって単語を読んだり話したりすることになりますが、そこをサポートする意味で、必ず子どもたちを見ています。全く声を出していなかったり、鉛筆をいじったりしてる子がいたら、すかさず声をかけます。

それから、教える内容が同じでも、子どもたちの反応を見てクラスごとにアクティビティや歌などを変えるようにしていますね。例えば年少さんのクラスを複数持っていた場合、クラスによって雰囲気や子どもの学習の出来は全然違います。まずは同じレッスンプランを立てるんですが、実践してみて合わなかったと思ったら、スパッと変えますね。歌、手遊び、チャンツ※など、クラスに合わせて変えるのは心がけています。

※チャンツ:一定のリズムにあわせて単語や文章を発声し、イントネーションや発音の練習を行う指導法

時澤先生:私は今は乳幼児クラスで、ようやく日本語を話し出す子どもたちを担当しています。40分のレッスンの中で、とにかく1個でも興味を持ってもらおうと意識しています。2歳前後の子なのでレッスンを見ていない時もありますが、リズムだけでも感じてほしいので、曲を流して英語のタイミングで背中をトントン叩いたりしています。無理強いはしないようにしていますね。

あとは、自分自身が楽しむことです。自分に元気がない日は何となくレッスンもうまくいかなかったり、子どもたちの反応も悪かったりすることが多いんです。とにかく楽しく、活気があるレッスンになるように、ウォーミングアップからテンションを上げるようにしています。

――先生として苦労していることはありますか?

時澤先生:英語だけではなく、しつけのようなこともやっていかないといけないという点では少し大変な面もありますね。小さい子のクラスなので走り回るし、言うことをすぐ聞いてくれる年齢でもないので、「座って」と言うと、逆に机に上り始める子もいます。
麗香先生が仰るように、子どもたちの性格をよく理解して、そのクラスに合ったレッスンを提供しないとうまくいかないことが多いと思います。

篠原先生:私も同じ点です。もちろん子どもは好きなので、どんなに騒いでも大丈夫という気持ちでレッスンに臨んでいるのですが。乳児・未就園児クラスは保護者の方も一緒にレッスンに参加して注意してくれますが、年少さんくらいからは保護者の方と離れてしまうので、特に大変ですね。

私は年少さんクラスを2つ持っていますが、両方ともタイプが違います。しかも、子どもたちのコンディションも毎回違うんですよね。子どもたちのモチベーションが低い日もあるし、ギリギリまで昼寝していて起こされて来る子もいます。保護者の方と離れる年齢なので、少なからず保育士さんのような側面もあるのが難しいところの一つだと思います。いかにレッスンに集中させて、興味を英語に持っていけるか。いくら知識があって児童英語を教えるスキルがあっても、子どもたちの気持ちに付き合っていかなければいけません。そこは苦労する点ですね。

――総合的なコミュニケーション力が求められますね。

篠原先生:この仕事を始めたばかりの時は子育ての経験がなかったので、子ども達の様子から気持ちを汲み取るのが大変に思ったこともありましたが、今は私も自分の子どもがいるので気持ちが分かります。とはいえ、子育ての経験があってもやっぱり苦労することはあります。

時澤先生:私も10年前は子どもがいなかったのですが、子どもが好きという自信はあったんです。でも、レッスンをしてみるとうまくできないことがあって、保護者の方からの目も正直怖かったです。「この先生は子どものことを分かってるの?」と思われているのではないかというプレッシャーもあって、思うようにレッスンできなかったこともあります。

でも、その当時と、子育てと養成講座の学習を経験した今では気持ちが全く違います。今の方が余裕がありますね。もちろん大変なことも多いですが、子どもたちも成長するし、1年後にはきっともっと落ち着いているから大丈夫と思えるようになったんです。子育ての経験がなかった頃はそう思えないんですよね。もうずっとこのままなんだろうなと。それも結構ストレスになっていたかもしれません。この仕事する上では、子育て経験がなかったとしても、子どもと触れ合った経験が多い方がプラスになると思います。

――一方通行にならないように、子どもの小さな変化を感じ取る力が重要なんですね。

篠原先生:子どもに同調することが大事ですね。「ママ、ママ」とずっと言ってる子に対して、「大丈夫、大丈夫」と言って無理にレッスンに引き込むよりも、「ママがいいよね、そうだよね」と同調してあげると次第に落ち着くんです。同調しつつ、レッスンに興味を引かせるように「りんご好き?」と言ってみたりします。

自分の感覚だけでわからない部分は、本を読んだり人に聞いたりして情報収集すると気づきがあると思います。私も幼稚園の先生をやっている妹に意見を聞いています。全てが当てはまるかと言えば、必ずしもそうではないですが、試してみて損はないですね。情報収集をしたらとにかく試してみるようにしています。

――最後になりますが、お二方のように、これから母親として子育てをしながら児童英語の道に進みたいと思っている方にメッセージをお願いします。

篠原先生:この仕事は自分の生活スタイルで働けるので、思っているよりは難しくないという点は伝えたいです。日々子育てや家事をしている専業主婦の方にとっては、新たに仕事を始めることはハードルが高いと思われがちですが、そんなことはないと思います。ちょっとでも興味があるなら、まずはやってみたらいいと思います。

私は家事をするのは嫌いではないですが、あまりどっぷり家庭のことばかりをやっているとやはり疲れてしまうので、仕事をしている時間も必要だなと思うことがあります。母親ではない立場でいられる環境があると、それだけで気持ちも変わってきます。

時澤先生:本当におっしゃる通りで、児童英語講師養成講座で学習した経験があったからなのか、思っていたよりも難しくないという印象です。

私の場合は篠原先生という素晴らしいロールモデルがあったので勇気を持てたのですが、始める前はなかなか踏み切れずウジウジしていたんです。私にできるかなと。でも、今では「やっぱりやってみてよかった!」と思えるので、少しでもやりたいと思っていたらすぐに飛び込んで行ったほうがいいと思います。

篠原先生:養成講座は本当にいいですよね。気づきが多く、はっとすると思います。

時澤先生:私も毎日子どもを送って、講座を受けて、子どもを迎えに行くという生活をしていましたが、ちゃんとできました。迷っていたらぜひ受けてください。子どもがいるから家でも試せるし、学べることがあります。子育て中の方にこそおすすめしたいですね。

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