ごはん作りを手伝ってタマネギを切ったら、涙が出てきたという経験はありませんか? たくさん切ると、涙だけでなく鼻水が出てくることもあります。悲しくもないのにどうして涙が出るのでしょうか。
涙の原因は、タマネギに含まれている「硫化(りゅうか)アリル」という物質です。タマネギを包丁で切ると細胞に傷がつきます。その時に、タマネギに含まれている物質が反応して硫化アリルができ、すぐに蒸発して空気中にただよいます。硫化アリルは涙を出す催涙(さいるい)成分なので、目や鼻を強く刺激して涙や鼻水が出るのです。タマネギを切った時にツーンとした辛みのあるにおいを感じますが、それが涙を出す硫化アリル。ネギやニンニク、ニラなどのにおい成分も同じです。
涙が出るのを防ぐ方法はいくつかあります。硫化アリルは温度が低いと出にくいため、調理の前にタマネギを冷蔵庫で十分冷やすと良いと言われています。また、細胞ができるだけ壊れないよう、よく切れる包丁を使う、硫化アリルの発生が弱まるように細かく切る前に水に浸ける、しっかり換気扇するなどの方法があります。(編集部)