私たちの暮らしの安全を守ってくれている警察。新聞やテレビを見ていると、「警察庁」「警視庁」「警察署」という、とても似ている組織の名前がよく出てきます。どのように違うのでしょうか。
日本の警察は、国家公安委員会という国の行政機関が管理しています。その国家公安委員会の下に置かれ、全国の警察組織を取りまとめているのが「警察庁」です。都道府県をまたぐ犯罪に対処するために各地の警察の連携や調整を行ったり、国の安全や警察制度に関わる仕事をしています。
そして、47都道府県のすべてに「都道府県警察」という警察組織があります。「都道府県警察」は、それぞれの地域で犯罪の予防や犯人の逮捕、交通違反の取り締まりといった仕事を直接行う組織です。都道府県警察には「警察本部」のほか、都道府県を区域に分けて、その区域ごとに「警察署」が置かれていています。さらに警察署の下に置かれた「交番」や「駐在所」は、地域の小さな警察署のような役割を担う場所。パトロールなどを通じて、警察官が地域の人々の安全を守る活動を行っています。
では「警視庁」とは何でしょう。都道府県警察に置かれている警察本部は、神奈川県警察本部(神奈川県警)や大阪府警察本部(大阪府警)といった名前ですが、東京都だけは◯◯警察本部という名前ではありません。それが「警視庁」です。警視庁は、日本で一番規模の大きな、東京都の警察組織の名前です。
似たような名前ですが、警察庁、警視庁、警察署は、それぞれ違う役割がある組織なのです。
(編集部)※写真は警視庁荻窪警察署