Q どうして赤や黄色いスイカがあるの?(神奈川県横須賀市、小1)
色素の量によって色が異なる
A スイカといえば、緑と黒のしま模様の皮に赤い果肉が定番です。でも、それは昭和時代の初めになってからです。
種苗会社「サカタのタネ」(神奈川県横浜市)の広報、大無田龍一さんは「スイカは多様性のある野菜です」と話します。現在では果肉の色は赤、桃色、オレンジ、黄色があります。含まれる色素の量によって色が異なり、赤い果肉にはトマトにも含まれるリコピンが多いです。黄色い果肉にはリコピンがなく、キサントフィルという黄色の色素が含まれています。
日本にスイカが伝わった時期はいくつか説がありますが、江戸時代の三代将軍徳川家光の時代と言われています。このころすでに、赤や黄色い果肉のスイカがありました。江戸中期の書物「農業全書」では、スイカの種子にはいろいろあって「じゃがたら」が赤肉で味がいいとすすめています。江戸後期の「本草図譜」には、もっとも普通のものは黒緑色の皮で赤い果肉と書いてあることから、赤い果肉が一般的だったようです。
明治時代になると、アメリカからいろんな品種が入ってきました。甘みに優れた桃色果肉の品種「アイスクリーム」が栽培され、それまで栽培されていたものと交配され「大和」ができました。大正時代末期、奈良県の農業試験場で品種改良が行われ、1928(昭和3)年、現在のスイカのルーツともいえるしま模様で赤い果肉の「新大和」が誕生しました。
黄色い果肉のスイカは、もともとあった品種を用いて改良され、1931(昭和6)年に「黄大和」ができました。さわやかな甘さとシャリッとした食感が楽しめます。愛知県刈谷市は黄色の小玉スイカが特産品です。核家族化が進み、食べきれるサイズで切らずに冷蔵庫で冷やせるとあって人気です。
【毎日小学生新聞編集部】

(「疑問氷解 Vol.11(毎日小学生新聞)」より)