【ニュースがわかる2024年7月号】巻頭特集は「沸騰」する地球の未来

高専に行こう! 大分高専編

高等専門学校。タイトルにある「高専」の正式名称です。ロボコンなどでその名前を聞いたことがあるかもしません。
高専は高等学校と同じく、中学校を卒業したひとが入学することができ、入学後は5年一貫教育(商船学科は5年6カ月)。一般科目と専門科目をバランスよく配置した教育課程により、エンジニアに必要な豊かな教養と体系的な専門知識を身につけることができます。近年はこの高専のカリキュラムが海を越え「KOSEN」として東南アジアを中心に注目されています。
「高専に行こう!」では、実際に全国各地の高専の魅力や特徴などをレポートします。今回は大分高専を紹介!

 大分工業高等専門学校(大分高専)は全国の国立高専51校の中でも数少ない県庁所在地にあり、大分市の中央部に近い高台に位置しています。本校は、昭和38(1963)年に開校し、機械工学科、電気電子工学科、情報工学科、都市・環境工学科の4学科と平成15(2003)年に開設した専攻科2専攻(機械・環境システム工学専攻・電気電子情報工学専攻)で構成されています。専攻科まで学ぶと大学卒業と同じ学士の資格を得ることができます。
 本校では、学生が外部の競技会やコンテストなどに参加することを奨励しています。昨年度開設したインキュベーションコアルーム(創造工房)等で、3Dプリンタの講習会、コンテスト作品の製作、企業と学生が一緒になって行う連携型事業アイデアソンなどを行っています。2024年2月に東京で全国中学高校Webコンテストのファイナリストによるプレゼンテーションが開催され、本校3年生5人のチームが銀賞を受賞しました。この大会は、チームで一つのWeb作品を作り、その制作過程と成果を競うコンテストです。本校のチームは「ごみ問題」をテーマに作品を制作し、プレゼンテーションおよび授賞式に出席しました。

全国中学高校Webコンテストの表彰式の様子(大分高専提供)

 また本校では、2023年度から本科4年生を対象とした『半導体デバイス概論』の講義を開講しています。隣県の熊本に大きな半導体工場が建設されています。また、大分県にも地場企業に数多くの半導体関連企業があります。このような地域性から、半導体デバイス概論の授業は、半導体製造・品質管理業務を携わる人財の育成に向けて開講した新規科目です。地元企業等からの外部講師による講義では、半導体の最新動向や就職する上での心構えや、各種の半導体デバイス・半導体製造に関する講義も行った後、工場見学も実施しています。講義以外にも全学科混合のグループ内で半導体によってSDGsをどのように達成できるのかについて検討し、グループ毎に発表することもあります。学科混成によるグループワークは、学生にも好評です。

半導体デバイス概論の授業風景(大分高専提供)

【大分高専へのアクセス】
■鉄道
「JR大分駅」からJR日豊本線「JR高城駅」下車 徒歩25分
■バス
大分駅前6番のりばから約20分
「大分高専」下車
■自動車
大分駅からタクシーで約15分
米良ICから車で約15分