【ニュースがわかる2024年8月号】巻頭特集はテーマから探す! ミラクル自由研究

Jリーグのシーズン、26年変更へ【ニュース知りたいんジャー】

プロサッカーのJリーグが23日に開幕します。現在、Jリーグは春に開幕して秋に閉幕する「春秋制」ですが、2年後の2026年から、秋に開幕して春に閉幕する「秋春制」になります。秋春制になると、何がどう変わるのでしょうか。【篠口純子】


 ◇春秋制から秋春制って?


 1993年に開幕したJリーグは、昨年30周年を迎えました。93年5月に10チームで開幕し、その後はおおむね、3月から11月にかけてリーグ戦が行われてきました。クラブ数が増えるとともに試合数も増え、現在20チームが所属するJ1は、2月3週目ごろに開幕し、12月1週目ごろに閉幕しています。30年間にわたって、春秋制が定着していました。
 一方、2026年から始まる秋春制は、8月1週目ごろに開幕し、翌年の5月最終週ごろに閉幕するスケジュールです。ただ、雪が多い地域では試合や練習ができない、観客が試合を見に来られないといったことが予想されます。このため、12月2週目ごろから2月3週目ごろまでは「ウインターブレーク」と呼ばれる中断期間をもうけます。

サッカー J1 前半、給水タイムに集まる福岡の選手たち


 ◇いつごろから話し合われてきたの?


 2000年ごろから、秋春制について議論されてきました。雪が多く影響を受けやすい地方のクラブを中心に反対意見があり、そのたびに立ち消えになりました。17年に理事会で否決され、「今後10年間は凍結する」とされましたが、議論が再開。昨年12月、J1~J3の60クラブすべての代表者による投票が行われ、52のクラブが賛成し、理事会で秋春制が決まりました。
 議論再開のきっかけとなったのは、アジアのクラブ王者を決めるアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)です。ACLは23年から秋春制になりました。毎年開催されていたクラブ世界一を決めるクラブワールドカップ(W杯)も、25年以降は4年に1度の開催となります。出場枠は32クラブに拡大し、アジアからはACL優勝クラブなどに出場権が与えられます。こうした動きの中、JリーグのシーズンがACLとずれていると、アジアを勝ち抜くことが難しく、クラブW杯にも出にくくなると考えられました。


 ◇秋春制の良さは?

 秋春制は、イングランドやドイツなどヨーロッパの「5大リーグ」のほか、暑さが厳しい中東でも採用されています。ヨーロッパでの選手のチーム移籍はオフシーズンの夏場が中心です。ヨーロッパと合わせることで選手が移籍しやすくなり、Jリーグのクラブがより多くの移籍金を獲得できるとの見方もあります。Jリーグのシーズン中に有力選手が移籍するのを防ぐこともでき、ヨーロッパの選手や監督を獲得しやすくなります。
 また、夏場は暑さで選手の走る距離などが落ち、激しいプレーを見せられないことも理由の一つです。選手の走行距離などのデータをグラフにすると、秋春制のヨーロッパ主要リーグは、開幕後から上がり、シーズン終盤に落ちてきます。一方、春秋制のJリーグは、開幕直後の3月がピークで、夏は大幅に下がり、秋以降のシーズン終盤に増えてきます。秋春制は6、7月ごろがオフになり、暑い時期の試合を減らすことができます。


 ◇課題はあるの?


 雪が多い地域のクラブを中心に、心配する声もあります。春まで雪がとけない地域のクラブはサッカー場が使えず、アウェーでの試合が続くことになります。冬のウインターブレーク中に、ホームタウン外でキャンプをすることになれば、費用がかさみます。Jリーグはキャンプ費やエアドームなどの施設整備を支援するとしています。しかし、J1アルビレックス新潟の中野幸夫社長は「スタジアムや練習場の設備が良くなっても、そもそも雪が降ると家から出られない。練習場やスタジアムへ行けない」と反対していました。

観客席の雪かきをするモンテディオ山形サポーター=天童/山形


 ほかには、4月に始まり翌年3月に終わる自治体の年度とずれることで、自治体がもつスタジアムの確保が難しくなる可能性があります。また、高校・大学生の卒業時期と開幕時期がずれるため、選手獲得についてルール作りが必要になるといわれています。

J2 【山形-岐阜】雪の降る中、ボールを競り合う山形の鈴木選手[熱闘・モンテディオ山形]/山形


 ◇ほかのスポーツの日程は?


 プロ野球は3月から10、11月ごろまでのため、春秋制といえます。一方、屋内競技であるバスケットボールの「Bリーグ」やバレーボールの「Vリーグ」、屋外競技のラグビーの「リーグワン」は秋春制です。

ラグビー リーグワン 開幕戦で熱戦を繰り広げる神戸と浦安の選手たち


 サッカーは、1965年からJリーグ開幕前の92年まであった日本リーグは初めは春秋制でしたが、86年から92年までは秋春制でした。国外では韓国、中国、アメリカのプロリーグは春秋制です。元日の風物詩として定着していた天皇杯全日本選手権決勝は近年、12月に開催されることが増えました。選手のオフシーズンをしっかりと確保するためです。2021年に開幕した女子プロリーグ「WEリーグ」は秋春制です。(2024年02月14日毎日小学生新聞より)