山の高さはどうやって測るの? 【地図がわかる】

Q 富士山など山の高さはどうやって測るの?(奈良市、中1)

A 富士山の高さが標高3776メートルとされたのは1926年です。どうやって正確に測ったのか。国土地理院(茨城県つくば市)の大滝修さんに聞きました。

◆国会議事堂そばに日本水準原点

 高さを測るためには、基準が必要です。日本の土地の高さは離島を除き、1873年から6年間かけて測った東京湾の平均海面を基準(ゼロメートル)としています。そこからの高さを「標高」と言います。

 1891年に国会議事堂(東京都千代田区)のそばに「日本水準原点」=写真上=が設置されました。東京湾の平均海面から24.5メートルと決め、ここを基準に全国の土地の高さが求められます。現在は、関東大震災や東日本大震災の影響で24.39メートルとなっています。

◆2キロごとにある水準点 

 高さを測るには、「水準点」と「三角点」をもとにします。

 日本水準原点を出発点とし、全国のおもな国道または県道などに約2キロメートルごとに置かれているのが水準点です。約1万7000点あり、それぞれ高さが正確に求められています。

 山の高さは明治時代から「三角測量」という方法で測ってきました。明治政府は、本格的な地図を作るため、目印となる三角点を山頂近くの見晴らしのいいところに置きました。山のふもとにある水準点と山頂近くの三角点を結んで直角三角形を作ります。

◆三角形の性質使う

 ここで三角形の性質を使います。三角形は1辺の長さとその両端の角度が分かれば、残る2辺の長さが決まります。底辺の距離を経度と緯度から求め、機器を使って、水準点から三角点を仰ぎ見た角度を測定して山の高さを計算しました。

 1965年ごろから、光を利用して距離を測れるようになり、水準点から三角点までの距離を使うようになりました。三角形は、二つの辺の長さとその間の角度が分かれば、もう1辺の長さが分かるからです。

 ちなみに三角点は最高地点ではありません。最高地点は不安定な岩場や木に隠れていることがあるからです。

◆最近はGPSを利用

 最近では、人工衛星の電波を受信して高さを求める「全球測位衛星システム」(GNSS)が使われています。

茨城県つくば市にある電子基準点

 GNSSからの電波を受信する「電子基準点」は全国約1300か所に置かれ、24時間リアルタイムでデータが送られてきます。【篠口純子】

(2019年6月25日毎日小学生新聞「疑問氷解」より)