Q カメラのレンズは丸なのに、どうして写ると写真は四角くなるの? (東京都中央区、小2)
写真を四角く切り取ります
A カメラは、たくさん種類があります。カメラに付いている飛び出した丸い筒がレンズです。撮影するときは、のぞき窓(ファインダーと言います)や、背面の液晶画面を見ながら、写したい絵柄(構図といいます)を決めますね。レンズは丸いですが、ファインダーや液晶画面は四角です。では、写った写真はどちらでしょう?
デジタルカメラなら、その場で再生ボタンを押せば確認できます。答えは四角。丸いレンズですが、写ると確かに四角くなっています。
上の写真を見てください。四角い画面の中に、部屋の景色が丸く写っています。これが丸いレンズが写した、そのままの写真です。望遠鏡や双眼鏡で見える景色と同じ、丸です。丸いレンズが写すのは丸い写真です。四角い写真は、丸い写真を四角く切り取っているのです。
切り取る理由があります。特に広い景色を写せるレンズ(広角レンズと言います)は、ガラスの性能のせいで、周辺部分が真ん中に比べて少し暗くなることがあります。カメラ用語で「ケラレ」と呼びます。すみっこを切り取って真ん中だけを写真にすることで、周辺の暗い部分を取りのぞくことができます。
ではなぜ、四角に切り取るのでしょう。デジタルカメラの前は、アニメのセルのように、くるくる巻いた樹脂製のフィルムに、写した写真を一コマ一コマ連続して記録しました。上のイラストのように、コマが丸より四角のほうが、フィルムをむだにせずたくさん写せます。写真をプリントする紙も四角のほうがむだが出ません。だから四角くいほうが、都合が良かったのです。(「疑問氷解 Vol.7(毎日小学生新聞)」より)