夏休みの朝にラジオ体操に参加したことはありますか? 最近は、新型コロナウイルス感染症の影響で開催が難しい状況が続いていましたが、みなさんが住んでいる地域ではどうでしょう。ずっと昔から続いているラジオ体操、一体いつから始まったのか調べてみました。
ラジオ体操が始まったのは、1928(昭和3)年11月です。昭和天皇の即位(そくい)を記念して、逓信省(ていしんしょう)簡易保険局(=今のかんぽ生命保険)が中心となって企画した体操で、最初は「国民健康体操」という名前でした。当時の日本人は今と比べて体が小さく、平均寿命も長くはなかったため、国民の健康を願って、いつでも、どこでも、誰でも簡単にできる全身運動としてラジオ体操が考えられたのです。
東京中央放送局(=今のNHK)でラジオ体操の放送が始まると、小中学校では早い段階から朝の体操として行われるようになりました。
子どもが夏休みにラジオ体操を行う習慣ができたのは、1930(昭和5)年の夏に行われたラジオ体操の会(子どもの早起き大会)がきっかけだと言われています。これは、東京・神田にある警察署の巡査が「長い休みの間、子どもたちに規則正しい生活を身につけてほしい」と企画したもの。この取り組みが、全国に広がっていきました。
戦争で中断した時期もありましたが、1951(昭和26)年に新しいラジオ体操が作られ、今も受け継がれています。(編集部)
※写真は体育の日。国立競技場に約2万人が集まり、ラジオ体操などが行われた=1968年10月10日