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【ニュースがわかる2024年5月号】巻頭特集は10代のための地政学入門

バイオリン なぜ音がでるの?【疑問氷解】

Q バイオリンはどうして音が出るのですか?(東京都練馬区、小4)

弦と弓の摩擦で音 魂柱が振動伝える

 A 楽器の演奏や製作、修理法などを専門的に学べる国立音楽院(東京都世田谷区)の指導講師、沢田若菜さんに聞きました。

 バイオリンから音が出るのは、弦と弓がこすれ合う摩擦によるものです。弦に触れる弓の白い部分は、馬のしっぽの毛で、約170本(約5グラム)が使われています。これに粘着性のある松ヤニを付け、しっかりと摩擦が起きるようにします。弓の毛は傷むので、4か月に1回程度、替える必要があります。

 バイオリンには4本の弦があります。縦に置いた時に向かって左がもっとも太く、低い音が出ます。右にいくにつれ弦は細くなり、高い音が出ます。また、弦に指を乗せることで、音程を変えることができます。弦の素材は、昔は羊の腸を伸ばしたガット弦と呼ばれるものだけでした。現在は金属の線を用いたスチールや、ナイロンがあります。

 弦の振動は弦を支える駒を伝って、表板に伝わります。表板の裏側には、左側の弦に沿うように、長さ約27センチメートルの「バスバー」(力木)が付いています。これが表板と裏板に音を伝え、間の空洞が共鳴(震えること)し、表板全体から音が出ます。

 バイオリンで最も大切な部品は、「魂柱」という直径約5~7ミリメートル、長さ約5センチメートルの小さな木の棒です。外からは見えませんが、バイオリンの表板の左右に開いている空洞「f字孔」の中央よりやや下に立っており、表板と裏板の空洞を支え、音の振動を確かに伝えます。

 いい音を出すには、弓で弦をなでるのではなく、圧力をかけながら引き、バイオリンの中でしっかり振動を伝えます。弓を動かすのがゆっくりすぎると、音が響きません。弦に乗せた指で振動を与える「ビブラート」を用いると音量が増え、華やかな音色になります。【毎日小学生新聞編集部・野本みどり】

(「疑問氷解 Vol.6(毎日小学生新聞)」より)