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【ニュースがわかる2024年5月号】巻頭特集は10代のための地政学入門

ヨーグルトのフタのうら くっつかないのはなぜ?【疑問氷解】

Q 森永ビヒダスヨーグルトのフタのうらには、なぜヨーグルトがつかないのですか?(東京都・小6)

無数のでこぼこが秘密

 A 森永ビヒダスヨーグルトの小さなサイズ4個が一つになって売られているタイプ(4ポットヨーグルト)に、くっつきにくいフタが採用されていると聞いて、見てみました。「いやいや、容器を振れば、さすがにくっつくでしょう」と意地悪な気持ちでヨーグルトを軽く振り、開けてみると……あら、不思議。フタは、つるんとキレイ。スプーンでヨーグルトをすくってフタにのせると、水をはじくようにすべり落ちました。

 「お客様から、フタについたヨーグルトで手が汚れる、洗わないと分別して捨てられないといった声を聞き、なんとかしたいと開発しました。フタの表面には、ミクロレベルの凸凹が無数についていて、ヨーグルトが転げ落ちるようになっています」と話すのは、森永乳業ヨーグルトマーケティンググループの岡田祐美子さん。「TOYAL LOTUS」と呼ばれるこの素材は、森永乳業が、アルミ素材を製造している東洋アルミニウムと共同で1年かけて開発し、2010年2月、アロエヨーグルトの期間限定商品に導入。その後、さらに改良を重ねて、2011年10月から、4ポットヨーグルトにも導入しました。凸凹が何個ついているのか、どうやって開発したのか、細かいところは秘密だそうです。

 開発には、苦労もありました。岡田さんと一緒に開発に携わった渡辺裕さんは、「ヨーグルトをはじくフタは、接着剤まではじいてしまいます。フタを容器に密着させるのが難しかったです」と言います。苦労のかいあり、客からの反応は上々。自由研究のテーマにしたいという小学生もいたそうです。この素材は、いずれは、はちみつやゼリーなどの商品にも使われたり、食品だけでなく医薬品にも活用できるのでは、と期待されています。【中嶋真希】

              (「疑問氷解Vol.7(毎日小学生新聞)」より)