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全線開通 三陸鉄道リアス線【毎小鉄道がわかる】

 東日本大震災の津波で不通になっていた岩手県沿岸部の宮古―釜石駅間で2019年3月、8年ぶりに鉄道の運行が再開。この区間をはさんだ「南リアス線」と「北リアス線」がつながり、全長163キロメートルの「三陸鉄道リアス線」が誕生しました。復興のシンボルといわれる三陸鉄道の歩みを振り返ります。【篠口純子】

どこを走ってるの?

 三陸鉄道は、久慈―宮古駅間(71キロメートル)の北リアス線と、釜石―盛駅間(36.6キロメートル)の南リアス線がありました。その間の宮古―釜石駅間(55.4キロメートル)はJRが山田線を運行していました。

 2011年の東日本大震災で山田線は、線路が流失し、7駅が被災しました。JRは、線路跡を舗装してバスを運行するバス高速輸送システム(BRT)で仮復旧させる案を出しましたが、そのまま廃線になることを心配したまわりの市町村は、鉄道の復旧を求めました。交渉の末、JRが鉄道を復旧し、三陸鉄道に経営を移しました。

え・うちやまだいすけ

三陸鉄道ってどんな会社?

 岩手県や沿線の市町村、企業がお金を出し合ってつくった第三セクターです。1984年、全国初の第三セクター鉄道として開業しました。車体のシンボルカラーの青、赤、白はそれぞれ、三陸の海、鉄道に対する情熱、誠実を表しています。「さんてつ」という呼び名で親しまれています。

 東日本大震災で駅舎や高架橋、線路の計317か所が被害を受け、全線が不通になりました。地震から5日後、久慈―陸中野田駅間(11.1キロメートル)で、運賃無料で運行を再開しました。南北リアス線は2014年に全線で運行を再開。NHK連続テレビ小説「あまちゃん」(13年4~9月放送)に登場した鉄道会社のモデルとして人気を集めました。

ユニークな駅があるって聞いたけど

 大槌駅、陸中山田駅は町が新駅舎を建設しました。大槌駅舎は「大槌駅デザイン総選挙」で決まりました。人形劇「ひょっこりひょうたん島)」のモデルとされる大槌湾の蓬萊島をイメージした、ひょうたん形の屋根が特徴です。陸中山田駅の新駅舎は、オランダの風車をイメージしたデザイン。江戸時代にオランダ船が漂着したことから名付けられた山田湾のオランダ島にちなみます。

 復旧した宮古―釜石駅間には、八木沢・宮古短大と払川の二つの新駅が開業しました。これまでの駅数は南リアス線が10駅、北リアス線が17駅。そこへ宮古―釜石駅間の11駅と二つの新駅が加わり、リアス線は全40駅となりました。久慈―盛駅間は直通運転で4時間21分かかります。

特別な列車もあると聞いたけど

 2012年から団体向けに、震災当時の様子や今の被災地の状況を説明する「震災学習列車」の運行を始めました。14年からは地震が発生した3月11日に、個人向けの「震災学習列車」も運行しています。発生時刻の午後2時46分に黙とうし、被災状況が分かる場所では一時停止や徐行運転します。

 冬の風物詩となっているのが「こたつ列車」です。02年からお座敷列車を始めましたが、寒い冬は乗客が減るため、05年から「こたつ列車」を始めました。こたつでくつろぎながら旅を楽しめます。

お客さんは多いの?

 開業初年度の利用者は268万人に上りました。年々減少し、震災前の2009年度は89万人に落ち込み、震災直後の11年度は29万人に激減。「あまちゃん」効果で回復しましたが、17年度は52万人でした。

 会社の経営は、1984年の開業から10年間は黒字でしたが、その後は赤字が続いています。震災以降、沿線の人口減少がさらに進み、利用者をどう確保していくかが課題です。

 (2019年4月10日毎日小学生新聞「知りたいんジャー」より)


 毎日小学生新聞は7月21日から9月20日まで、「鉄道開業150年」のスタンプラリーを展開中。毎日、紙面に掲載されるスタンプを専用台紙(7月21日、22日毎日小学生新聞)に貼って応募すると、応募者全員の名前が紙面に掲載(希望者のみ)されるほか、抽選で電子辞書のプレゼントもあります。