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【ニュースがわかる2024年5月号】巻頭特集は10代のための地政学入門

バドミントンのシャトル どうやって作るの?【疑問氷解】

Q バドミントンのシャトルは、どうやって作るの? (東京都世田谷区、小4)

選別した羽根16枚 コルクに植え付けえる

 A これまで7大会連続で、オリンピックのバドミントンの試合でシャトルを提供してきたヨネックスのシャトル製造部長、宮城哲也さんに聞きました。

 バドミントンで打ち合う羽根を、シャトルと言います。プラスチックでできたものもありますが、ガチョウかアヒルの羽根と、コルクでできたものが多く使われています。「こうした天然素材を使った道具を使うスポーツは、とても珍しいです」と宮城さんは言います。

 羽根は、ガチョウの方が丈夫なため、品質が高いとされています。しかも羽根ならどこでもいいというわけではなく、翼を広げた状態で、先端から数えて4枚目から10枚目までの7枚だけを使います。一つのシャトルに使う羽根は16枚。ガチョウ1羽から、左右合わせて14枚取れますが、右の翼の羽根と左の翼の羽根を混ぜて使うことはできないので、一つのシャトルを作るために、最低3羽が必要ということになります。

 羽根は、食肉用のガチョウやアヒルのものを使うので、シャトル用に殺したりすることはありません。ガチョウの羽根は、中国から輸入しています。

 羽根はまず、決められた形に切りぬきます。そして、汚れや傷があるものを取り除き、反りや曲がりの選別をします。丸く加工されたコルクに16枚の羽根を植え付け、コルクと羽根を接着剤で固定。さらに糸で羽根を結んで接着剤で固定します。

 バドミントンのシャトルは、重さが約5グラムしかありません。トップクラスの選手だと、シャトルを打った瞬間の速度は時速400キロメートルを超えます。打った瞬間、シャトルの羽根の部分はぺちゃんこにつぶれますが、品質の高いシャトルは、すぐに形が元に戻るそうです。【毎日小学生新聞編集部・大井明子】

 (「疑問氷解 Vol.6(毎日小学生新聞)」より)