長野市の信州大付属長野中1年の松木孝太朗さん(12)が、今年6月の「ニュース時事能力検定試験」(ニュース検定)で最難関の1級に合格しました。1級合格者の最年少記録です。小学生のころから始めた学級新聞づくりを今も続けており、「将来はニュースを解説するジャーナリストになりたい」と合格の喜びを語りました。【尾崎敦】
◆ニュース検定に挑戦したのはいつからですか。
小学3年生の時に5級を受けて一発合格、4年生のときに4級、3級、準2級、2級を全部1回で合格しました。
12歳でニュース検定1級に合格し、最年少記録を更新した松木さん、写真は家族提供
◆1級は約8割正解しないと合格できません。どんな勉強をしましたか。
1級は5年生だった20年11月に初めて受けましたが、不合格でした。自己採点では30点ぐらいしかできなかったと思います。21年6月の2回目のときは、自己採点で40点でした。
公式テキストは、最初から最後まですべて読みました。2級までは、世の中の動きやニュースそのものを知っていれば解けます。しかし、1級はマークシートの4択(四肢択一問題)だけでなく記述問題もあり、ニュースの背景まで知らないと解けません。新聞やテレビで気になったニュースのほか、専門用語や知らない語句も勉強しました。
松木さんが1級合格した2022年6月検定の1級問題
◆最年少合格したと聞いての感想は?
「合格」と聞いた時は本当にうれしかったです。2回落ちていたので、正直不安でした。手応えはありましたが、記述式が正解しているかどうか、終わっても相当不安だったんです。合格できたので、記述式でも点をもらえたのかなと思いました。
◆これからの抱負を聞かせてください。
11月の検定も1級を受けて高得点を出したい。ニュースは日々変わります。これからも受け続けたい。
◆将来の夢は?
ニュースを解説するジャーナリスト、テレビのニュース解説コーナーに出る解説者になりたい。今年1月に池上彰さんの番組「池上彰vs天才小学生」(テレビ東京)に出演し、池上さんに会えて楽しかった。目標の池上彰さんに近づけるように、幅広い知識を蓄えて頑張っていきたい。新聞社で文章で解説する論説委員もやりたい。
◆学校ではどんな活動を?
小学5年生のときからクラスで学級新聞「週刊クラスタイムズ」を作っていました。手書きの新聞でクラスの行事や地域のニュース、政治に興味を持ってもらうような話題を載せて、計74号発行しました。
◆中学校では?
僕は「月刊クラスタイムズ」という学級新聞を毎月作り、教室に張り出しています。B4サイズの手書き1枚。7月号は、妙高に宿泊学習に行ったので妙高山の地図や感想をまとめ、身近なニュースを載せました。
◆最近気になったニュースは?
東京五輪組織委員会の元理事とスポンサー企業との間で発覚した不正問題。オリンピックという平和の祭典で不正があったというのは信じられないのと残念な気持ち。オリンピックのメダルのニュースを見てすごいなと思っていたので、不正があったと聞いて嫌な気持ちになりました。
◆ロシアのウクライナ侵攻についてどう思いますか?
ロシア軍がウクライナとの国境に集結した時は、まさか攻め込むとは思いませんでした。言葉で表せない複雑な気持ちです。早く終わってほしい。でも、ロシア側が続けると言っているので、早期停戦はプーチン大統領が変わらない限り期待できないと思います。学校の委員会が募金活動をしていて、毛布を送ることになっています。
◆先生やクラスメートに「1級合格」を伝えましたか。
先生に連絡したら「合格おめでとう」と言われました。夏休み中なので友だちにはLINEで連絡しました。
個人受検が行われた東京・浜松町のニュース検定会場。6月検定の志願者総数は約8200人
=2022年6月26日 、日本ニュース時事能力検定協会提供
書影をクリックすると本の通販サイト「Amazon」のサイトにジャンプします
「2022年度版ニュース検定 公式テキスト&問題集『時事力』基礎編(3・4級対応)」
ニュース検定とは?
画像をクリックすると「ニュース時事能力検定試験」公式HPにジャンプします
「ニュース時事能力検定試験」(略称、ニュース検定)は、ニュースを読み解く力を多くの人に身につけてほしいと、日本ニュース時事能力検定協会(養老孟司・名誉会長)や毎日教育総合研究所、各地の新聞社が共催して、年4回実施しています。
1級~5級まで6段階ありますが、4級は主に中学生以上、3級は中高校生以上が対象です。3・4級対応の『公式テキスト&問題集「時事力」基礎編』は、「これからのエネルギー」「社会保障のこれから」「核兵器と向き合う世界」など21のテーマについて、グラフや図解を多用して最新ニュースをわかりやすく解説しています。また、「時事力Basic」でそもそもの基礎知識を身につけることができます。
4級と3級の検定問題は四つの選択肢から一つを選ぶマークシート方式。各45問の約6割はこの本から出題されます。
次回の検定はいつなの?
「ニュース検定」で次回の検定日や、お近くの試験会場などご覧いただけます。
「ウクライナ侵攻がわかる」 ニュース検定 特集ページ公開
ロシアによるウクライナへの軍事侵攻について、2月末から約3カ月間の動きをまとめた特集ページを、日本ニュース時事能力検定協会が公式サイトに特別に公開しています。