【ニュースがわかる2024年6月号】巻頭特集は地震大国ニッポン 被害を減らすために

電車のつり革 なぜ丸い?【毎小鉄道がわかる】

鉄道150周年

壊れにくく、たくさんつくれる

Q つり革はいつごろからあるの? 持つところは、なぜ丸いの?(東京都町田市、小2)

 A 鉄道総合技術研究所の研究員、斎藤綾乃さんに教えてもらいました。

 以前はベルトに牛革が使われていたことから、今でも「つり革」と呼ばれています。今のつり革は、布に樹脂を染み込ませたベルトと、プラスチック製の手掛け(手で持つ部分)でできています。

 つり革がいつからあるか、はっきりした歴史はわかりません。1870年ごろのイギリス・ロンドンでは、鉄道馬車(レールの上を走る馬車)の車内に、すでにつり革がぶらさがっていました。日本では、明治時代の1907年に作られた車両内部の写真に、つり革が写っています。

 100年ほど前の大正時代になると、藤(ラタン)の手掛けが付くようになりました。このころは、丸型や三角形型がありました。

 今から50年くらい前にプラスチックになり、丸型が多くなりました。斎藤さんは、「単純な形の丸型は作りやすく壊れにくいので、たくさん作るのに都合がよかったのではないでしょうか」と話します。今は、より壊れにくい素材で作られるようになったので、丸型だけでなく、三角型、キャラクターやハート、長円などのいろいろな形があります。

 同研究所では、お年寄りや女性、子どもなど多くの人が使えるつり革の長さとして、160~163センチメートル程度(床から手掛けまでの長さ)を提案しています。さまざまな身長の人が使いやすいようにと、長さがちがうつり革を設けた車両もあります。

 アメリカ・ニューヨークでは1960年代後半に、ロンドンでは80年代後半につり革は姿を消し、手すりだけになりました。斎藤さんは、「揺れに身を任せるつり革か、動かない手すりを好むか、文化のちがいではないでしょうか」と話しています。【木村葉子】

        (2014年12月10日毎日小学生新聞「疑問氷解」より)


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