【ニュースがわかる2024年6月号】巻頭特集は地震大国ニッポン 被害を減らすために

イギリス「ビッグベン」、この春から再始動

ニュースがわかる2022年4月号より

2017年から大規模修復工事のために止まっていたイギリス・ロンドンの時計塔「ビッグベン」が、この春から再び時を刻みます。15分ごとに街に響く鐘の音はそのままに、最新のデジタル技術や防火・電気設備を導入。文字盤の数字や時計針の色も新しくなります。

160年親しまれてきた世界遺産

ビッグベンとは、イギリスの国会議事堂「ウェストミンスター宮殿」の北端にある高さ約96メートルの時計塔のこと。正式名称はエリザベス・タワー。ビッグベンという名はもともと時計塔の時鐘の愛称でしたが、現在では時計塔そのものの名としても使われています。
 1859年の誕生から美しい姿と鐘の音で市民に愛されてきたビッグベン。2017年8月から大規模修復工事のために時計の針が止められていました。当初は昨年末には工事が終わる予定でしたが、コロナ禍によるロックダウンで中断。ようやくこの春、再始動を迎えます。

文字盤の数字と時計針が紺青色に

今回の修復工事は、総工費7970万ポンド(約123億円)をかけた、これまでで最も大規模な工事でした。ビッグベンを含むウェストミンスター宮殿は国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産にも登録されているので、作業は慎重さを要しました。3000枚を超える屋根瓦や1000以上の時計の部品を解体し、最新設備やデジタル技術を導入。塔内部にエレベーターも設置しました。わかりやすい変化として、文字盤の数字と時計の針が、黒色から建設当時の紺青色に変わります。

学校のチャイムの音はビッグベンをまねたもの

学校のチャイムの「キンコンカンコン」という音は、実はビッグベンの鐘の音に由来します。1955年、東京都大田区の大森第四中学校で国語を教えていた井上尚美先生が学校のチャイムの機械を作ることになり、以前、ラジオか何かで聞いたビッグベンの音を思い出して決めたそうです。このチャイムの音は文部科学省によって定められているわけではないですが、全国の多くの学校で採用されています。ちなみにビッグベンの鐘の音は、ヘンデルの曲「メサイヤ」からとったメロディーだそうです。