Q 食べ物はないのに、どうして浴室にカビが生えるの?
体から出る汚れをえさに増える
A ライオンのお掃除マイスター、杉本美穂さんに教えてもらいました。
カビは目に見えないごく小さな胞子がいろいろなところにくっついて、菌糸を伸ばし増えます。胞子は土の中にもあり、温度(20~30度)、湿度(70%以上)、栄養分の三つがそろうと、どこにでも生えて増えていきます。
パンなどの食べ物以外も、カビはえさにします。特に、私たちの体から出るあかや脂分などの汚れが好物です。体から出る汚れ、湿度、温度と、カビが好む三つの条件が1年中そろっている場所。浴室はまさに、カビにとって快適な「パラダイス」(天国)なのです。
浴室に生えるものは黒カビと呼ばれます。見た目が汚いだけでなく、いやなにおいがしたり、タイルの目地やゴムのパッキンなど、材質を悪くしたりします。浴室には、1立方メートルあたり数百から数千の胞子が漂っているそうです。
きれいに見える天井にもカビはひそんでいます。洗い流した体の汚れは湯気に含まれて上へのぼり、天井についてカビのえさになっていました。取り除いてもまたすぐカビが生えるのは、天井のカビが原因でした。
杉本さんは、「カビを防ぐには、エサとなる汚れを絶つこと」と言います。最後に入浴した人はお湯のシャワーで壁や床を洗い流し、汚れを取り除きます。
次に水のシャワーを同じようにかけて、浴室の温度を下げます。換気扇は最低でも3時間はつけたままにします。週に1、2回は浴室用洗剤を使って壁や床を掃除します。でこぼこしたところは、ブラシを使うと良いしょう。浴室掃除は小学生のお手伝いにぴったりです。
根本的に取り除くには塩素系のカビ取り剤を使いますが、とても強い成分が入っているので大人の人に任せましょう。
天井のカビは布に含ませたカビ取り剤でふき取ります。【毎日小学生新聞編集部】(「疑問氷解 Vol.7(毎日小学生新聞)」より)