アニマルウェルフェアを学ぶ【月刊ニュースがわかる6月号】

未来の仕事図鑑 マグロの仲卸人

ほんぜんこくかいかくからすうのマグロがあつまるとよじょうとうきょうこうとう)。そのなかから「いいマグロ」をえらんでい、いんしょくてんさかなこのみにったマグロをわたすのが、なかおろしにんごとです。(「Newsがわかる2025年5月号」より、文章中の所属・肩書などは掲載当時のものです)

ねらったマグロをかなずセリとす

 うみりょうがとったさかなは、ちかくのみなとしょうにあるさかなじょうに“じょうりく”します。とよさかなじょうはそのひとつ。まいにちすいさんおろしうりぎょうしゃりょうからったマグロを、じょうのセリ(きょうそうをつけさせ、さいこうをつけたひとはんばいするとりひきほうほう)にします。

 わたしつとめる「やまゆき」はマグロせんもんなかおろしぎょうしゃで、とよじょうのセリにたマグロをけ、1000ほどのいんしょくてんさかななどにわたしています。

 なかおろしにんごとおおきくけてみっつです。ひとつは、セリならんでいるマグロのしたき)。ぜんに「このマグロならこのくらいのだんおう」とめます。ふたは、セリでをつけたマグロをセリとすこと。ぴきあたりすうびょうまるセリはスピードしょうです。みっは、セリとしたマグロをかいたいしブロックやさくけてこんぽうはいそうじゅんととのえてしゅっします。

恩田弘陽さん(中央)が「大好きなマグロに関わりたい」と、やま幸に入社したのは7年前。築地市場閉場の年だった。やま幸のマグロ仲卸業務は、26人の社員が従事。10代~20代前半の若者たちが活躍し、活気にあふれている

セリ場から180キロのマグロを荷台に載せて運ぶ、1年目の大町真司さん

3人がかりで頭と四つの身に解体する。包丁を握るのは2年目の松倉翼さん(右)

社長しゃちょう知識ちしき全吸収ぜんきゅうしゅう

 るまでマグロのしあしはわかりません。そのため、したでのきはじゅうようです。かいちゅうでんとうではらのおくらしてなかの“しき”をたり、だんめんをチェックしたり、さわってだんりょくあぶらののりをたしかめたり、ったらどうなるかをそうぞうしたりしてきします。

 くわえて、「とにかくいろがいい」「あぶらおおめ」などきゃくさんそれぞれのマグロのこのみもかんがえます。それでもってみたら、ダメだということもあるのです。

 すべてのおきゃくさんのこのみをあくしているしゃちょうは、そのちゅうもんどおりかをたしかめながら、かならさいけをします。わたし、そのよこいて、しゃちょうひょうじょうとマグロをこうて、またことひとつものがすまいとべんきょうしています。

 もくひょうはいいマグロをきわめてセリとし、おきゃくさんにさいまで使つかってまんぞくしていただくこと。ひとちできるしています。

最後にマグロを切り分ける社長の山口幸隆さん(中央)をサポートする恩田さん(右)。やま幸は山口さんの的確な目利きぶりが広まり、国内外の高級すし店がこぞって使う仲卸に成長した。40年以上の経験に基づく山口さんの頭の中にある膨大なマグロに関する知識を、若手社員が日々、吸収している

 仕事に欠かせないもの  マグロ包丁、懐中電灯   マグロの解体に使う専用の包丁。写真は身を半分に切る長さ1メートルくらいの「半丁切り包丁」。断面がきれいに切れる。もちろん毎日、刃を研ぐ。懐中電灯は、下見の際にマグロのはらの状態を見るのに欠かせない。


取材・文:千葉潤子 写真:武市公孝

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