週刊エコノミストで連載中の「挑戦者2021」。優れたアイデアや斬新なサービスで世の中を良くしようとする企業の取り組みを紹介しています。本サイトでは、誌面で紹介された「挑戦者」たちがどんな子どもだったのかを聞きました。
※「挑戦者2021」はエコノミストオンラインへhttps://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20210601/se1/00m/020/063000c
話を聞いたひと 花原浩二さん MARKS社長
殺人や自死、孤独死があった住宅などの「事故物件」。リフォーム後に「成仏物件」として仲介・販売し、輪廻(りんね)転生させる。
不動産業者の大半は事故物件の取り扱いを嫌がります。処分できずに困り果てている遺族・オーナーと、事故物件でも気にならないという入居者を引き合わせるサイト「成仏不動産」を2019年に開設しました。不動産事業者から「事故物件を買い取ってほしい」と依頼されたのがきっかけでした。現在は月30件程度の事故物件の相談が来ています。
当初は所有者が自ら進んで「事故物件」と言いたくないので、件数は伸びませんでした。そこで、「事故物件」とするのではなく、思い切って「殺人」「孤独死」「お墓が見える」など七つに区分しました。さらに、お祓(はら)いも済ませた物件には「成仏認定書」も発行します。
また、事故物件は金融機関から評価を付けてもらえず、ローンが組めない場合もありました。それならと、自社で事故物件を買い取り、おしゃれにリノベーションして販売することにしました。事故物件であったことを気にしない外国人や、一般的に賃貸などで敬遠されがちなお年寄りなどに需要はあるのです。
Q 子どもの頃はどんな性格でしたか?
A 小学校時代の通信簿には、「落ち着きがない」「優しい子」は毎回書かれていました。毎日山や川に遊びに行き、魚や虫を捕まえたり、周りを巻き込んで新しい遊びを考えたりするような子どもでした。
Q 子どもの頃の夢を教えてください。
A ムツゴロウさんのような人になりたいと言っていました。
Q 子どもの頃によく読んでいた本は?
A 本が苦手でマンガばかり読んでいました。ナポレオンや徳川家康といった歴史上の人物の伝記のマンガや三国志などは好きでした。
Q 仕事をしていてよかったこと、大変だったことを教えてください。
A 良かったことは、世の中の役にたっていると実感したり、自分の想いに賛同してくれる仲間が集まってくれているところです。大変だと感じることは、責任の重さです。社員やその家族の生活を守ること、お客様や取引先からの信頼、約束事を守ること。経営者になることは責任を背負う覚悟を持つことだと感じます。
Q 子どもたちにメッセージをお願いします。
A 苦手を克服するよりも、好きなこと、得意なことを伸ばしていく人生を送ってほしいと思います。そして、将来的には伸ばしたその能力を使って世の中の役に立つ仕事をしてもらいたいと思います。(聞き手=中園敦二・エコノミスト編集部)