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【ニュースがわかる2024年5月号】巻頭特集は10代のための地政学入門

ケーキ選びの新常識を作り出す【起業家から君へ】

話を聞いたひと 高橋優貴さん Cake.jp代表取締役 

週刊エコノミストで連載中の「挑戦者2021」。優れたアイデアや斬新なサービスで世の中を良くしようとする企業の取り組みを紹介しています。本サイトでは、誌面で紹介された「挑戦者」たちがどんな子どもだったのかを聞きました。

※「挑戦者2021」はエコノミストオンラインへhttps://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20210629/se1/00m/020/069000c

 ケーキの総合通販サイト「Cake.jp」を運営しています。「店子」であるケーキ販売店の出店数は約1200店、商品の取扱数は約5000種です。「定番」「お子様向け」「パーティー」……といったジャンルの中から商品を選んでもらい、各販売店から冷凍ケーキを届けています。冷蔵庫で10時間ほどかけてゆっくり解凍すれば、スポンジも生クリームも、一般の生ケーキと区別がつかないぐらいにおいしく味わうことができます。

 人気は誕生日ケーキです。乳幼児向けのアレルギー対応ケーキ、甘さ控えめのケーキ、顔写真をプリントしたケーキ、キャラクターや乗り物をかたどったケーキ……。多様化・細分化した消費者のニーズに応えられるだけの商品をそろえていると自負しています。

 以前から、「忙しくてケーキを買いに行けない」「満員電車でケーキを持ち運びたくない」という声がありましたが、新型コロナウイルスで通販需要が高まっています。2020年4~12月の売り上げは、前年同期の3倍でした。

こどもの頃はどんな性格でしたか?

こどもの頃はかなり無鉄砲で、我が道をいく性格でした。だから流行りに乗り遅れてしまうことも多かったです。自分の興味があることに没頭してしまうと人の話を全然きかなくて怒られることもありました。外出はあまり好きではなく、ゲームをよくしていました。

こどもの頃の夢を教えてください。

高橋名人というゲームの名人に憧れていました。ミニ四駆のイベントを盛り上げるミニ四ファイターも楽しそうだなと思っていましたね。

こどもの頃によく読んでいた本があれば教えてください。

色んな本を読んでいたので覚えてないです。初めて買った本はY2K問題※についての本で、印象に残っています。宇宙と古代文明に興味があるこどもでした。

※Y2K問題:いわゆる2000年問題。コンピューターの内部で日付を扱う際に、例えば「1981年」を「81年」のように西暦の下位2桁だけを表示して、上位2桁を省略していることで、「2000年」=「00年」を「1900年」と認識してしまい、1月1日に誤作動が生じる可能性がある、と懸念された。全世界で対策が施され、結果的に、影響はほとんどなかった。

仕事をしていてよかったこと、大変だったことを教えてください。

よかったことは、自分の好きなことや得意なことが、誰かの役に立ち、感謝されることですね。また、自分よりもレベルの高い人に自分の可能性を感じてフォローしてもらえると、仕事をしていて良かったなと思います。

大変なことは、理想と現実のギャップです。やりたいことがなんでもできるわけではなくて、組織、資金、能力など色々な点から、やりたいけど我慢が必要なことが多くなる。そんなときにどう動くか、どうやって理想に近づけるかを日々考えています。

子どもたちにメッセージをお願いします。

私がこどものときは、やりたいことがあまりありませんでした。今の時点ですでにやりたいことや好きなことが見つかっている人は素敵ですが、見つかっていなくても焦る必要はないのかなと思います。

最終的にはしあわせになって、たのしく生きることが最高なのかなと思いますが、そのためには「何をやりたいのか」よりも「何のためにするのか」が大事です。そういう視点で考えてみるとまた違った世界が見えてくるのではないでしょうか。(聞き手=市川明代・エコノミスト編集部)