21年夏は東京五輪、そして22年2月4日から北京五輪が開催され、テレビでもいろんな国の旗を目にすることが増えました。それぞれの国によって全然違うデザインだったり、中には似たような国旗もあります。でもその国の国旗のいわれは案外知らないものです。
例えば日本の国旗「日の丸」。縦と横の比率に決まりがあるのをご存じでしたか?さらに、円の部分は、国旗の縦の長さに対して「5分の3」など、他の国旗と比べてもシンプルで、誰にでも描けるデザインなのに、まさかこんな決まりがあったとは驚きですよね。
『国旗えじてん』では、世界199カ国の国旗とともに、その国旗の成り立ちや意味、さらにはその国の首都や人口、主な言語、国の特色や文化についても触れており、知られざる国旗の話を多彩なイラストとともに丁寧に解説されています。
各国の国旗を紹介したページ以外に、本書の中で紹介されている各コラムもユニークです。
たとえば、アフリカでは、緑・黄・赤の3色を使った国旗が多いですが、その3色が使われている国の共通点は、1960年の前後に独立しているアフリカの国によく使われている、という点です。
『国期えじてん』(パイインターナショナル)より
1960年は、アフリカで多くの国が独立した年で「アフリカの年」とも言われました。当時の政治指導者たちが「いつの日にか全アフリカをひとつの国にしよう」という理想に燃え、18世紀より使われてきたエチオペアの国旗にある緑・黄色・赤の3色を基本にした国旗にしようという共通の思いがあったからです。この3色は「
このように、あくまでシンボルとして眺めていた国旗でも、監修者である吹上さんがあとがきで〈国旗は国際理解の第一歩〉と言うように、国旗の成り立ちや意味に少し触れるだけで、その国の文化背景や歴史が見え、より世界が身近に感じることができる1冊です。
(ニュースがわかるオンライン 編集部)
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国旗えじてん
著者:吹浦忠正 (監修), オカタオカ (絵)
出版社:パイインターナショナル 定価:2,200円
本書の目次
国旗を知ろう/世界地図/この本の見方
アジア
ヨーロッパ
アフリカ
北・中央アメリカ
オセアニア
南アメリカ
国旗一覧/国名索引/監修のことば
著者プロフィール
監修:吹浦忠正(ふきうら・ただまさ)
1941年、秋田県生まれ。学生時代に1964年のオリンピック東京大会組織委員会、その後、1972年の札幌、1998年の長野開催のオリンピックで国旗や儀典に関わり、「東京2020オリンピック・パラリンピック」では組織委国際局アドバイザーに就任。難民を助ける会副会長、埼玉県立大学教授などを経て、現在は法務省難民審査参与員、社会福祉法人さぽうと21会長、NPO法人ユーラシア21研究所理事長、NPO法人世界の国旗・国歌研究協会共同代表などを務める。(本書より)
絵:オカタオカ
1986年、宮崎県生まれ。桑沢デザイン研究所卒業。雑誌や書籍、アパレル、広告などのイラストレーションを中心に幅広く活動。絵本に『しんまいぐま』(若芽舎)、『音でよむ昔ばなし2 3びきのこぶた』(文響社)、挿絵に『カレー語辞典』(誠文堂新光社)などがある。(本書より)