考える力は学力の基本。学力を上げるには「作文」がいいと言います。早稲田大学大学院で「文章表現」の講義を7年間担当したコラムニスト・近藤勝重さんの著書『書く子は育つ 作文で〈考える力〉を伸ばす!』から一部を抜粋して「子どもが作文好きになる5つの心得」をご紹介します。
当たり前に不思議あり
子どもが親からすると当たり前に思えるようなことに疑問を持って不思議がった時は、「そうよね」と一緒に考えてあげてください。
小林秀雄氏と三木清氏との対談に「近代の人間は驚きが少なくなった。何でも当たり前に受け止めている」とあります。ロシアで隕石が落ちた時、大変な被害が出ました。ところが「隕石だ」と言ったとたんに、「隕石か」で終わってしまう。これが原始人だったら大変な騒ぎになっていたのではないでしょうか。
ぼくらは知識があるから驚きが少ない。でも、子どもはそこまで知識がないこともあるし、その子から見れば「?」と思えることも多々あるのです。
そこが大事なんです。そこに「考えさせる芽」がある。疑問に思うことから子ども自身がどう伸びていくか。そこに「考える子」になる芽もあるわけです。
親も不思議がる子どもと一緒に不思議がり、考えてあげてください。
「子どもが作文好きになる5つの心得」の続きは明日10時に配信されます
紹介した本はコチラ
書影をクリックすると本の通販サイト「Amazon」のサイトにジャンプします
書く子は育つ
著者:近藤勝重 出版社:毎日新聞出版 定価:1.210円
本書の目次
第1章 文章を書くというのはどういうことか
第2章 文章は上手、下手よりテーマのとらえ方
第3章 文章は体験と気づく力の産物
第4章 五感と身体感覚をフルに生かそう
第5章 伝わってこその文章
著者プロフィール
近藤 勝重(こんどう・かつしげ)
コラムニスト。毎日新聞客員編集委員。早稲田大学政治経済学部卒業後の1969年毎日新聞社に入社。早稲田大学大学院政治学研究科のジャーナリズムコースで「文章表現」を出講中、親交のあった俳優の高倉健氏も聴講。毎日新聞では論説委員、「サンデー毎日」編集長、専門編集委員などを歴任。夕刊に長年、コラム「しあわせのトンボ」を連載中。『書くことが思いつかない人のための文章教室』、『必ず書ける「3つが基本」の文章術』など著書多数。コラムや著書の一部が灘中学校をはじめ中高一貫校の国語の入試問題としてよく使用され、わかりやすく端正な文章には定評がある。TBS、MBSラジオの情報番組にレギュラー出演し、毎日新聞(大阪)では「近藤流健康川柳」を主宰している。(この書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)