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スクールエコノミスト2023 WEB【巣鴨中学校編】

英国エリートの知性と人格に触れる“真の国際人”を体感できる機会

 斬新な国際教育を数多く考案する巣鴨。まずは高1、2の夏休みの3週間、英国の名門イートン校の寮で生活しながら、英語や英国文化に触れるサマースクールが挙げられる。20名の歴代首相を輩出するなど、イートン校の質の高いリーダーシップ教育や人間教育に触れるまたとない機会だ。特筆すべきは、このサマースクールに首都圏の男子校で唯一参加が認められている点だろう。また、同様の体験をできるだけ多くの生徒に、との思いから開催するのが中2、3・高1の希望者を対象にした巣鴨サマースクール。世界の第一線で活躍している英国のトップエリートを講師に招き、夏休みの6日間、長野県の校外施設で行う。歴史、ディベート、プレゼンテーション、ドラマ、スポーツアクティビティなど多彩なレッスンを1グループ10名の少人数に分けて展開。昨年度の一例を挙げると「ユートピアとディストピア」「資本主義国家と独裁主義国家」「日本の皇室と英国の王室」「紅茶の歴史」など幅広い。中でも多くの生徒が心に残ったと語るのが、講師が自らの人生を振り返り、失敗したときの対処法などを語る「motivation curve」。エリートの失敗談を聞くことで失敗は問題ではなくそこから回復する力の重要性を学んでいく。国際教育部の岡田英雅教諭も「失敗は成功の必須条件かもしれない、という生徒の言葉は何より嬉しかった」と笑みをこぼす。

 さらに他校との共同プログラム「Double Helix」では「大量の知識なしに高次の思考は実現しない」との考えのもと、教育、芸術、医療など様々な分野の第一線で活躍する英国講師たちがレッスンを行う。

 そのほか巣鴨推薦の生徒は優先的に英国の名門校クライストカレッジ・ブレコン校に留学できる協定締結も見逃せない。兼ねてより可能であった1年留学だけでなく、優先的に転籍が認められ、英国の大学へ直接進学することが可能となった。既に卒業生の金田隼人さんは、このルートでオックスフォード大学へと進学。今や巣鴨生にとってオックスブリッジは現実的な進路選択肢の一つとなっている。

 昨年度は数学に秀でているが、英検準2級と英語は苦手という生徒が留学を決めた。「彼はイートン校サマースクールで出会った先生への憧れから、英語が得意でなくても一歩前に踏み出す決意をした」と岡田教諭が語るように、巣鴨の国際教育の根幹は“人”にほかならない。自身や自国に誇りを持つと同時に他者や他国への敬意を忘れない講師たち。プログラムを通じ、直接その素晴らしい知性と人格に触れ、生徒たちは憧憬の念を抱く。それが、生徒たちの学びへの情熱とともに、自ら“真の国際人”とは何かを考え、会得する最高の国際教育となっているのは間違いないだろう。

(文/松岡理恵)

●学校データ

所在地       〒170-0012 東京都豊島区上池袋1-21-1

TEL        03-3918-5311

学校公式サイト   https://sugamo.ed.jp

海外進学支援    有

帰国生入試     有

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国内外大学合格実績(過去3年間)

東京、京都、東京工業、一橋、北海道、東北、大阪、東京医科歯科、神戸(医)、筑波(医)、千葉(医)、防衛医科、防衛、慶應義塾、早稲田、上智、東京理科、明治、東京慈恵医科、日本医科、順天堂(医)、東京医科、シドニー、ハンガリー国立(医)